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CSSやJavascript自習の苦闘史を綴っていきたい。恐縮ですがJavascriptを有効にしてご覧ください。
2005年12月から社会問題も掲載!


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東日本大震災の後に思うこと

その衝撃は既成観念を一掃させた

海が陸を飲み込む様は余りに衝撃的だった。海水が町を翻弄する様は、自然に謙虚に向き合わずに築かれた文明の崩壊を象徴していたのかもしれない。

それは愚かな首長が言ったように「天罰」などではない。この国で連綿と続いてきた、災害対応を軽視してきた経済と政治が招いた人災に他ならない。

日本の文明のあり方が根底から問われている

今回の大震災は日本の文化、政治、経済のあり方を根底から照射し、反省と転換を迫っているように思える。

あれだけの大災害に対して、余りに簡単に「想定外」がまかり通ってしまう国。

想定の甘さをしっかり批判し、大災害をエネルギー政策と地域計画を根底から転換する機会とするのではなく、企業や政府のそのような発表を洪水のように垂れ流し、同情と善意の輪に視点を逸らし、大災害の根本原因究明を曖昧にしてしまうマスコミ。

他方、必死に生き続ける被災者の懸命さ・命の逞しさは、圧倒的な存在感を持って迫ってくる。

失われた尊い命・財産・産業・コミュニティに報いる道は、二度と再び同様な災害を起こさせない国へとこの国を転換するしかない、と思われる。今回の大災害を契機に、日本の政治・経済・社会を根本的に転換させなければならない。

1990年代は「失われた10年」と総括されてきたが、それに続く21世紀最初の10年は、この国から更に多くを喪失させてしまった。まるで資本主義勃興期の18世紀のイギリスのように、アメリカ直輸入の"市場原理主義"が大手をふるってまかり通り、弱肉強食のむき出しの欲望が肯定された。勝ち組・負け組、努力した者は報われる、リストラ、グローバルスタンダード、小さな政府、規制緩和推進等のキーワードがブラウン管や紙面に踊った。

ところが、実直に努力しても報われることは殆どなく、逆に金融工学と言う名のサギ的学問を援用したハゲタカが巨万の富をゲットしてしまった。

同時に、自殺者が毎年 3 万人を越え、不安定雇用が爆発的に増大し、路上生活者も増え続け、「ワーキングプア」、「孤族」、「無縁社会」などの造語が次々と生まれ続けた。

今や日本は、若者は将来に、高齢者は現在にさえ、全く希望が持てない社会となってしまった。

こんなはずではなかったのではないか!

1945年───再生を期した日本が望んだ国はこんな筈ではなかったのでないか!

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発散級数の和───オイラーの天才

無限級数の和がマイナス!?

1+2+3+4+5+6+7+8+9+・・・=-1/12

そんな馬鹿な!、と誰しも思う。しかしオイラーがこれを証明したそうだ。

4月9日の朝日新聞紙上でオイラー生誕300年記念特集が組まれた。その一節に上記の式が登場し、初めて接する機会を得たが、正直吃驚した。

それは「無限大になる」と誰しも思うはずだ。ある数までの自然数の和に次の自然数を足せば、それまでの合計値よりも更に大きくなり、それが無限に繰り返されるのだから、どこまでいっても膨張する自然数にしかならない、と考えるのが常識的な結論だ。

しかし、この式の右辺は素数と関係するゼータ関数の性質から導き出される、というのが朝日新聞の解説である。

それにしても、プラスの、しかも次第に大きくなる自然数を順次加えていくと、その無限の彼方では何とマイナスになってしまう、と言う結論は余りに驚愕的であり、余りに常識に反し、余りに不自然だ。

しかしながら同時に、ゼータ関数なんて名前を聞いたことくらいしかないし、証明にチャレンジしようなんて気持ちは毛頭ないが、数学のおもしろさの一端を見事に照射していると言えるだろう。

万葉倶楽部再訪

関連エントリイ in this Blog

2007年3月9日、万葉倶楽部を再訪した。これで4度目のリラクゼーションだが、ここは何度行っても至福の寛ぎを堪能出来る場所だ。

昨日は余り来訪者は多くなかったようで風呂は広々とゆったりと入ることが出来た。屋上の足湯はこの時期には流石に大変寒く、長時間の眺望を楽しむことは不可能だが、それでも夜景の素晴らしさは絶品である。

その夜景を拙い写真であるが掲載しておきたい。

My携帯内蔵カメラには、最近のデジカメでは当たり前になった「手ぶれ防止」機能は付いていない。そして寒風吹きすさぶ中での夜景の撮影は大変厳しい。このため撮影した半数は見るに堪えないものとなってしまったが、何とか見られるものを敢えて掲載する愚を犯してみたい。

ここに、敢えて決して鑑賞に堪えられない写真を掲載する愚を犯すのは、万葉倶楽部を宣伝する意図ではないし、もちろん何らかの報酬を得てこのエントリイを書いている訳でもない。ただ、ただその素晴らしさに感服しているからである。

みなとみらい21地区の航空写真
闇に輝く観覧車。観覧車越しに透けてランドマークタワーが見える。
観覧車とクィーンズタワー
海を望む。手前に光っているのは足湯

1/f揺らぎと日本語・自然の音

1/f揺らぎ

テレビ朝日の「素敵な宇宙船地球号 ▽日本人の知られざる能力▽音色に隠されたゆらぎの謎▽除夜の鐘の秘密」を見た。

自然の音を快感と感じる日本人独特の感性に関する、つまり日本人の大脳の特徴についての、実に興味深い番組であった。

まず、その中で語られた「1/fゆらぎ」は、余りにも有名な心地よさのシンボルだ。

  • ゆらぎとは、ものの空間的、時間的変化や動きが、部分的に不規則な様子ともいえますね。ゆらぎは、世に存在するすべてのものに表れます。例えば、風は突然吹いて、そして突然止まることもあります。風は不規則な動き、いわばゆらぎの代表格の1つです。(← F分の1ゆらぎの謎にせまる
  • 人の心拍の間隔や、ろうそくの炎の揺れ方、電車の揺れ、小川のせせらぐ音、アルファ波、目の動き方、木漏れ日、物性的には金属の抵抗、ネットワーク情報流、ラジオ体操、蛍の光り方などに1/fゆらぎが発見されていると言われている。(←1/fゆらぎ - Wikipedia

元来1/fとは、出力が周波数=frequencyに反比例する現象から「1/f」と名付けられたようだが、その発生メカニズムは未だ分かっていないらしい。(1/fゆらぎ - Wikipedia) 周波数の大きな高い音は小さく揺らぎ、それが小さい低い音は大きく揺らぐ───それが1/f揺らぎであり、それが生命にとって心地よく感じられるらしい。

1/f揺らぎは生命に快感を与える

その理由は生態の神経細胞の電気信号の発射間隔が1/f揺らぎを有しているらしく、それ故に1/fが心地よく感じられるようだ(←F分の1ゆらぎの謎にせまる

すてきな宇宙船地球号が興味深かったのは、この心地よさの拠って来たる原因を大脳に着目することにより説明したことだ。

欧米人は虫の音を聞いても音感を司る右脳が活性化し、それを雑音としか捉えないが、日本人は何と左脳で虫の音を聞く、というのだ。日本人は虫の音を聞くと、音を司る右脳ではなく言語や論理的思考を司る左脳が活性化するというのだ。それは実験結果をを示して論証していた。(まさかこれは「あるある・・」のようなでっち上げややらせとは思えない。)

更に「・・・地球号は」そうなる理由として日本語の独自性を主張した。

欧米言語は子音主体の言語だが日本語は相対的に母音が多い。この母音こそが自然界の心地よい音色と同等の性質を持っているが故に、日本人は自然界の様々な音を、欧米人のように単なる機械的な音としてではなく、意味のある心地よい言語として聞く───番組はそう説明した。

この説明は大変説得力があり、真実を突いていると思う。だから、日本人である芭蕉は、蝉の声を岩に染み入ると感じ取り、そこに喧噪ではなく静かさを捉え、かくして1/f揺らぎの快感を17文字に凝集したのだろう。

    四字熟語カレンダーとは!!

    四字熟語が別にブームな訳ではないだろう。

    しかし、「四字熟語カレンダー」まで製品として出回っているとは、驚きである。

    → 「2007 カレンダー 日めくり型 四字熟語」

    毎日毎日、異なる四字熟語を眼にすることによって、果たして新鮮さが日々に付け足されるのだろうか?

    なお、こうした製品があることを知ったのは、一昨日myblogに設置したGoogle AdSenceの情報による。AdSence設置が早くも自らに対して効果を発揮したと言える(苦笑)。

      パチンコ依存症:100万人が悩む病

       今日のTVで標記について特集していた。本人の意思と無関係に「衝動」が抑えられなくなってしまうのだそうだ。
       私はギャンブルには一切関心も興味もないのだが、意志と無関係に発っせられる衝動という依存症は、他にも煙草や酒などの嗜好品においても存在している。
       そして格差社会の進行は自殺者の増加だけではなく、各種依存症の患者を、確実に増加させているのではないだろうか
       当たり前の生き方が馬鹿らしく思われてしまうような社会が、当たり前の人生の否定に拍車を掛け、衝動をコントロール出来ない人間を多産している。

        姉歯元建築士の妻が自殺!!

         痛ましい事件が起きてしまった。精神的に追い詰められたのだろう。まさに「世間に顔向けできない」心境だったに違いない。
         しかし、そもそも彼女に責任はないと思う。
         如何に"夫婦一心同体"と雖も、なるほど家族として、家庭においてはそうかもしれないが、構造設計・構造計算という姉歯元建築士の業務に関して、その奥さんが責めを負う筋ではないだろう。
         それでも国会証人喚問時の姉歯容疑者の「動機釈明」の談に登場してしまったし、居たたまれない心境だったのだろうと思う。楽になりたかったのだと思う。
         合掌!

          社会保障審議会建築分科会基本制度部会中間報告批判

          ★3月28日完結★

          基本制度部会中間報告
          コメント
          はじめに(略)
          1.構造計算書偽装事件の概要(略)
          2.現在の建築規制制度、建築士制度等の課題
          (1)建築確認・検査制度の課題

          悪意による偽装設計も含めて法令違反を見過ごさない仕組みを再構築することが求められている。このためには、構造設計図書の審査方法を大幅に厳格化する必要がある。特に中間検査については……完了検査とは異なり法的に全ての建築物に義務付けられているわけではない。現在約72%の特定行政庁で実施されているが、残りの特定行政庁では未実施となっている。偽装物件のうち中間検査を実施していないものの一部で確認中請書と施工図の内容が一致しない物件があり、構造計算の偽装に加えて、確認申請書通り施工されたかどうかが確認できないものもあり、中間検査の実施をさらに徹底させる必要がある。また、現在の中間検査が確認中請書との照合を中心に実施されていることから、今回の偽装物件の中には、中間検査段階で偽装を見抜けなかったものもあり、検査方法の見直しも含め検査の厳格化が必要である。

          ①構造設計図書の審査方法の厳格化、②中間検査の実施を更に徹底、③中間検査方法の見直しを含む検査の厳格化───以上の3点が課題とされた。これらは全て当然のことだろう。全数検査を基本に据えるべきだし、図面との照合だけではなく、踏み込んだ検査も当然求められる。

          問題はそれが可能となる執行体制の整備である。

          (2)指定確認検査機関制度の課題
          • 現在では建築確認の約56%、中間検査の約78%、完了検査の約56%が民間の指定確認検査機関によって処理されており、改正前は約3割程度にとどまっていた完了検査の実施率が平成16年度には約73%に上昇するなど、執行体制の充実に一定の成果がみられるところである。建築確認・検査の民間機関の活用そのものは、合理的な政策選択であったと考えられる。指定確認検査機関については、業務量に見合った審査体制や公正中立性の確保、万一の場合の責任体制のあり方等について大幅な要件強化が必要である。
          • 次に、特定行政庁と指牢確認検査機関との関係についてであるが、現行制度では、特定行政庁は指定確認検査機関が行った建築確認について事後的に報告を受け、その内容が建築基準関係規定に不適合と認める場合は当該建築確認を取り消す権限を有しているほか、建築確認・検査の適正な実施のため必要な措置をとるべきことを指示できることとされている。
          • しかしながら、特定行政庁への報告は建築計画概要書による簡易な内容とされており、例えば今回の耐震偽装事件で問題となった構造計算書は含まれていない。このため、特定行政庁が構造計算書の偽装を把握することは、別途特段の調査を行わない限り困難である。
          • 平成17年6月24日の最高裁決定は、指定確認検査機関が行った建築確認についても、建築主事を置く地方公共団体が行政事件訴訟法第21条第1項に定める「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」に当たるとし、この決定を踏まえ、下級審では指定確認検査機関が行った違法な建築確認についての国家賠償法上の被告適格を建築主事を置く地方公共団体に認める判決が出されている。現行制度のままでは、建築主事を置く地方公共団体(その長が特定行政庁)は、国土交通大臣又は都道府県知事が指定した指定確認検査機関の違法な確認によって、国家賠償法に基づく賠償責任を負わされるおそれがあるにもかかわらず、業務の適正さを確保する上で十分な監督権限を有しておらず、制度上問題がある。特定行政庁が法令違反を把握し、指定確認検査機関の業務の適正さを確保するための特定行政庁の監督権限を強化する必要がある。
          • なお、指定確認検査機関の指導監督については、指定権者である国土交通大臣又は都道府県知事が報告徴収、立入検査、監督命令、業務停止命令、指定取消し等、必要な措置を講じることができることとされており、原則として年度ごとの報告徴収及び立入検査に加え、随時立入検査等が実施されているが、従来は審査体制や公正中立性等について法令に定められた要件に適合するかどうかの検査が中心であり、例えばサンプルを抽出して確認中請書の内容を再審査するなど、個々の建築確認・検査内容の適法性を検査することまでは、ほとんど行われていなかった。
          • 今回の耐震偽装事件を踏まえ、今後、国土交通大臣又は都道府県知事は、指定確認検査機関に対して従来以上に踏み込んだ強力な指導監督を行うとともに、そのために必要な監督体制の強化を図り、適正な建築確認・検査業務の実施に万全を期すべきである。

          完了検査の実施率向上をもって民間機関設立が「合理的であった」と評価している。厳正・公平・中立であったかどうかを問わず、検査実施率という表面的、現象的、量的側面だけをもって、民間機関設立の合理性を評価することは全く見当違いだろう。

          検査実施率を向上させるためにはそれを実施する人員が必要となるだけであり、行政機関の人員増によっても、同様に検査実施率の向上は図れたはずだ。

          特定行政庁に責任だけが負わされている現実、つまり、民間機関の審査・検査の是非を判断する材料が、概要書という数頁の資料だけであって、およそ評価するに足る材料ではないことが淡々と述べられている。しかし、そのこと自体を問題にしようとする姿勢はない。

          最高裁や地裁判決を踏まえて、「特定行政庁が法令違反を把握し、指定確認検査機関の業務の適正さを確保するための特定行政庁の監督権限を強化する必要がある。」としているが、その具体策が皆目書かれていないことが問題だ。

          特定行政庁ではなく、国や都道府県が民間機関を指定している現行制度そのものの問題点について、全く触れられていない。本来、賠償責任を負う特定行政庁が、個々の民間機関を指定する権限を持ってこそ、初めて「特定行政庁の権限強化」が名実共に行えるはずだ。例えばA会社は○○県では指定されたが、△△市では指定されない、等のように、地域に責任を負う特定行政庁がその地域の建築確認を行う民間機関を取捨選択できるようにすべきである。

          そうしてこそ、まちづくり関係諸法規や諸条例に関する知識や理解を、民間機関に求めることも可能となるはずだ。

          実際に確認や検査を行うことのない国や県(※県が確認する地域もある)がいかに強力な権限を持ったとしても、実際の確認行為を行っている特定行政庁と民間機関との、当該地域における緊張関係は知るよしもないはずであり、当該地域を最も知っている特定行政庁こそが民間機関に対して全権を有するべきである。

          (3)建築士制度の課題

          事件の再発防止を図るため、不正を行った建築士に対する監督処分を厳格化するとともに、罰則についても大幅に強化する必要がある。

          現状では建築士事務所の名称、所在地、管理建築士の氏名、監督処分歴等が記載された登録簿を閲覧させているところであるが、建築士事務所の業務実績、所属する全ての建築士の氏名、実務経験等についても情報開示させ、不適正な業務を行う建築士は市場で淘汰されるようにすることも重要である。

          建築士の専門分化の実態に対応して、分野別の資格者の位置付けと責任分担のあり方について、関係者の合意形成を図りつつ、今後、十分な議論を行う必要がある。

          監督処分の厳格化、罰則強化、情報開示について異論はないだろう。

          分野別資格化が今後の課題として先送りされたが、その理由が分からない。







          (4)瑕疵担保責任制度の課題

          住宅の売主等による瑕疵担保責任の確実な履行を担保するための措置を講ずることが必要である。

          建築士事務所、指定確認検査機関に対しても損害賠償責任の賠償保険への加入は義務付けられておらず、損害賠償責任を課せられた場合に十分な賠償金を支払えない可能性がある。

          既に工場生産商品等で明確化され、当たり前となっている製造者責任が、今回の偽装事件により、住宅においては、住宅においては、極めて杜撰であったことが改めて浮き彫りになった。

          (5) 住宅性能表示制度の課題

          住宅性能表示制度は、……その利用は任意であることから、平成年度の適用率は新築住宅の約14%に止まっている。

          住宅性能評価の過程においても、指定住宅性能評価機関が構造計算書の偽装を見抜けず、評価書を交付するという事態も発生しており、建築確認・検査に準じて、指定住宅性能評価機関における評価方法等の改善を図る必要がある。

          評価方法の改善は当然だとしても、そもそも任意制度であること自体を見直すべきではないか。

          特に構造計算が必要となる建物≒集合住宅については義務づけるべきだろう。

          (6) 確認中請書等の保存期間の課題

          保存期間の実態としては年がほとんどである。また、指定確認検査機関については5年間の図書保存が義務付けられているが、違反是正等の措置を講じるためには、保存期間が短いという課題がある。

          当然の措置である。

          3.建築物の安全性確保のための施策の基本的な考え方

          (1) 審査体制の強化と検査の厳格化

          構造設計図書の審査方法も含め、建築確認・検査の方法、内容を厳格化するとともに、建築主事及び確認検査員の審査、検査能力の向上並びに特定行政庁及び指定確認検査機関の審査体制の強化を図る必要がある。特に、一定の高さ、一定規模以上の建築物等については、構造の専門家等による構造設計図書の審査を義務付けるなど審査の厳格化を図る必要がある。

          審査・検査の方法や内容の厳格化及び専門家による審査の義務づけは余りに当然すぎる指摘である。これまでが余りに杜撰だった。

          (2)指定確認検査機関の責任の明確化と特定行政庁の監督の厳格化

          今回の事件を踏まえ、指定確認検査機関に対して、損害賠償責任を果たすことのできる財産的基礎を明確化するなど、自らの責任において業務を遂行させるための措置を講じる必要がある。

          指定権者と特定行政庁が協力して、指定確認検査機関に対して確認中請書のサンプル検査や審査方法の検査等を厳格に実施するなど、指導監督を強力に実施する必要がある。

          司法判断により、指定機関業務に対する損害賠償責任が特定行政庁に負わされたが、「指定機関が損害賠償責任を果たせるようにすること=自らの責任において業務を遂行させること」は余りに当然すぎることだ。結果責任を負わない組織はおよそ近代法にはそぐわないと言わざるを得ない。

          「技術力が劣る」とみなした特定行政庁が、技術力が相対的に高いとみなした指定機関に対して、サンプル検査や審査方法の検査を行え、というのは論理的に矛盾しているのではないか。なれ合い、もたれ合いが起こる可能性もあるし、実質的な検査が行えない可能性もある。

          (3)建築士、建築士事務所、建築主等の責任の明確化と処分、処罰の厳格化

          建築士、建築士事務所、建築主等の関係者の責任を明確にした上で、その責任の履行について十分な実効性を確保することが必要である。

          また、建築士、建築士事務所に対する監督措置を強化した上で、それぞれの不適切な行為に対する処分を厳格化するとともに、建築主を含め不法行為に関与した者に対しては罰則を大幅に強化する必要がある。

          建物の建設に係る関係者の責任明確化、処分、処罰の厳格化は当然すぎる課題だ。性善説に立脚したこれまでの制度が甘すぎた。

          (4)建築士等の資質の向上と建築士及び建築士事務所等の業務の明確化

          建築士等の資質、能力の向上を図るための措置を講じる必要がある。

          また、業務の専門分化等の実態を踏まえ、適切に業務が実施できるよう建築士の資格制度及び建築士事務所の要件や業務の実施体制等を見直すとともに、設計、工事監理業務等の明確化、報酬基準の見直し等を行う必要がある。

          また、行政及び関係団体が協力して建築士、建築士事務所に対する指導監督を強化する必要がある。

          建築士等の資質向上と業務の明確化もこれまでの制度の杜撰さを示すもので、当然の措置であろう。

          しかし、行政による建築士等に対する指導監督に現実性があるだろうか。自助努力、内部研鑽が原則ではないのか。

          (5)消費者に対する情報の開示

          消責者が建築士事務所や指定確認検査機関に業務を依頼する際に適正に判断が下せるよう、建築士事務所や指定確認検査機関に関する必要な情報の開示を充実する必要がある。また、住宅購入者等に対し住宅等に関する必要な情報の開示を促進するため、住宅性能表示制度の充実、強化等を図る必要がある。

          “一生の買い物”である住宅に対するユーザー保護の観点が、決定的に欠如していたことが今回の犯罪による被害を甚大にした。

          4.建築物の安全性確保のため早急に講ずべき施策
          (1)構造設計図書の建築確認時の審査方法の厳格化
          ①構造設計図書の審査方法の見直し

          審査方法を法令上の審査基準として定め、次の方法により厳正に行う必要がある。

          1. 認検査機関が審査基準に従って入力データの審査、構造詳細図と断面リストの照合等を行うとともに、第三者機関における構造計算の適合性の審査を義務付ける。第三者機関においては、構造の専門家等が構造詳細図及び構造計算書を用いて計算方法、計算過程等の審査を行う。

            ただし、国土交通大臣の認定を受けた構造計算プログラムを用いて構造計算書等を作成した建築物については、建築確認申請時に入力データ(電子情報)を添付させ、構造の専門家等により構造計算プログラムの適用範園内であること、入力内容に関する考え方などを審査の上、再入力し、計算過程における計算ミス又は偽装の有無についてチェックを行う。この場合、構造の専門家による計算過程の審査を簡略化することができる。

          2. その他の建築物については、審査基準に従って、建築主事や指定確認検査機関が厳正に審査を行う。また、第三者機関のシステム面や運用面のセキュリティの確保を図るため、適正な対応策や実施体制について検討する必要がある。

          1. はいわゆるピアチェックの導入だ。高度化している構造計算については、どうしても専門家同士による相互チェックが必要だろう。

          しかし、認定プログラム利用時についてはこれを緩和し、「再計算すれば、計算過程の審査を簡略化する」措置を併記したが、果たしてそれで良いのだろうか。

          その後3月14日に、国交省は次のようなピアチェック案を明らかにした。

          国交省案(3/14)

          「構造計算適合性判定機関」を新たに設置し、7階建て以上に相当する高さ20m超の鉄筋コンクリート造りの建物については、自治体や民間検査機関が建築確認する際にこの判定期間で専門家による審査(ピアチェック)を受けるように義務づける。

          ②建築確認の法定期間の見直し

          構造設計図書の審査が厳正に行われるようにするため、審査方法の見直しにより必要となる審査期間を踏まえ、現行の建築確認の法定期間の延長について検討する必要がある。

          現行の非木造建物21日は、厳正な審査を行うには余りに短すぎる。

          国交省案(3/14)

          高さ20m超の建物の審査期間を35~70日にする案を公表。

          ③構造計算プログラムの見直し

          構造計算途中での改ざんや計算結果の保存データの改ざんを防止するためのセキュリティの確保等の措置が講じられていること、などの内容について国土交通大臣の認定を行う必要がある。

          なお、当該大臣認定については、建築物全体についての一貫計算プログラムに加え、構造計算の一部を行う部分計算プログラムも認定の対象に含めるべきである。

          プログラムの入出力情報について、部材の一覧表の作成も含めて標準化・共通化について検討することが必要である。

          改ざん防止措置が認定対象となっていなかったこと自体が驚きである。認定の形骸化が進んでいたのではないか。

          部分プログラムも認定対象とすべきとしているが、その真意は何か。

          入出力情報の標準化・共通化は当然の措置だ。

          ④構造計算書の内容に係るガイドラインの作成

          国は建築構造技術者の団体等の協力を得て、構造計算書が適切に作成され、偽装の防止にも資することを目的とした構造計算書の内容に係るガイドラインを作成すべきである。その際、当該ガイドラインでは、構造設計の方針、構造計算プログラムの適用範囲内であることを判断するチェックリスト、入力内容に関する考え方等について、構造計算書の内容に含めることとすべきである。

          対象とした当該ガイドラインの内容についての研修を実施し、構造計算書の審査能力の向上を図る必要がある。

          ガイドライン及びチェックリストの作成は、審査の標準化・共通化、審査能力の向上を図るためにも必要なことだろう。

          (2)中間検査の義務付けと検査の厳格化
          ①中間検査の義務付け

          施工途中での施工状況等の確認を行うため、多数の者が利用する建築物の特定工程については中間検査を義務付ける必要がある。

          ②中間検査の厳格化

          中間検査の際には、建築確認中請書との照合だけではなく、鉄筋量の不足など不審な点を見つけた場合に構造計算書の点検を義務付けるなど、検査を厳正に行わせるため、検査基準を法令上明確にする必要がある。

          ③迅速な是正措置の実施

          特定行政庁が中間検査、完了検査を受けた建築物が建築基準関係規定に違反していると認めた場合には、速やかに9条命令等の措置を講じることが必要である。



          多数のものが利用する建物についての中間検査の義務づけは最低限の措置だ。問題は「多数のものが利用する建物」の定義であろう。

          検査基準の明確化、迅速な是正措置も当然のことだ。

          国交省案

          3階建て以上の共同住宅は全て中間検査を義務づける。

          (3)指定確認検査機関に対する監督の強化等
          ①指定確認検査機関の責任の明確化等

          指定確認検査機関の公正中立性を確保するため、確認、検査に利害がある設計、施工、不動産取引等の関係者の出資割合等が高くならないよう要件を強化することが必要である。

          また、指定確認検査機関は自らの責任において業務を実施するものであり、審査の瑕疵について損害賠償請求された際に十分な賠償金を支払えるよう、基本財産等又は保険金に関する要件を強化・明確化することが必要である。

          あわせて、適正な業務が実施できるよう確認検査員などの確認検査業務を行う人員体制の要件についても強化することが必要である。

          さらに、国及び都道府県による指定確認検査機関の指定時の審査を厳格化するため、指定の際には第三者の専門家に意見を聴くなど、審査の方法、体制の見直しを検討する必要がある。


          現状の指定機関が「いかに問題が多いか」──まるでそれを例証しているような方策が並んでいる。

          出資割合に言及したことは高く評価して良いだろうが、出資規制をいかにして実現するか、その実効性が問われる。

          損害賠償能力確保、人員体制強化及び指定審査の厳格化は当然のことである。しかし指定機関物件でも「特定行政庁が賠償責任を負う」という司法解釈をどうするのか、その点に全く触れられていないことが大問題だ。

          ②特定行政庁による指定確認検査機関に対する監督権限の強化等
          i)特定行政庁の権限強化

          指定確認検査機関が確認済証等を交付した旨を特定行政庁へ報告する際の報告内容に、審査の実施状況、結果等の事項を加え、報告事項を充実させるとともに、特定行政庁に指定確認検査機関に対する立入検査権限等を与える必要がある。

          また、立入検査等の結果、指定確認検査機関が建築確認・検査の業務に関し著しく不適当な行為をした事実を発見したときは、特定行政庁は指定権者(国土交通大臣又は都道府県知事)に対してこの旨を報告し、指定権者は指定確認検査機関の行う建築確認・検査業務の全部又は一部の停止を命ずる等適切な措置をとることが必要である。

          ii)監督方法の見直し

          指定権者等が立入検査等を行う場合には、審査体制や公正中立性等の要件の検査を行うだけでなく、確認申請書の内容のサンプル検査の実施による個々の建築確認・検査内容の適法性の検査も併せて行うなど検査内容の充実強化が必要である。

          iii)指定確認検査機関の報告制度の拡充

          指定確認検査機関に対し指定権者等への定期的な業務状況の報告を義務付けることが必要である。

          また、偽装(単なる誤りでは済まされない意図的なデータ改ざん等)を発見した場合にも、指定権者等への報告がなされるようにすることが必要である。

          正本・副本1部ずつ計2セット提出する現行制度にかぶせて、更に副本を1部追加させて特定行政庁に提出させるのか、それとも「概要書以上、副本以下」の何らかの報告書を定めるのか、充実の具体化が問われる。

          特定行政庁への立ち入り検査権付与は当然の措置だ。

          指定権者と特定行政庁が異なったままで良しとするが故に、指定機関・特定行政庁・指定権者という三角関係が残ってしまう。特定行政庁=指定権者にしてすっきりさせるべきだ。



          検査内容の充実=審査・検査内容の適法性検査は、これまでの監督方法の、形式性、不完全性を改める上で最低限必要なことだ。



          指定権者への指定機関からの定期報告は、指定権者が特定行政庁でない場合形骸化する虞がある。特定行政庁への業務状況報告義務化とすべきだ。偽装発見時の報告は言わずもがなであるが、まず特定行政庁へ報告させるべきだ。

          ③指定確認検査機関の処分の厳格化
          i)処分基準の明確化

          指定確認検査機関の処分を厳格に実施するため、過失、違反の程度に応じて処分基準を策定し、その監督を強化することが必要である。

          ii)建築基準適合判定資格者登録の欠格事由等の強化

          現行制度では登録の取り消しの日から2年を経過しない者等に対し、再登録を禁止する欠格事由が定められているが、この欠格事由について期間の延長も含めて強化を図る必要がある。

          今回大量の偽装見逃しを行ったイーホームズの国会等での対応を見る限り、処分の厳格化は不可欠に思われる。

          (4)建築士に対する処分の強化等
          ①関与した全ての建築士の名称等の明示

          設計、工事監理を行った建築士の責任を明確化するため、設計図書、工事監理報告書及び確認申請書等に、当該業務を担当した全ての建築士について名称等を記載させることが必要である。

          ②処分の強化

          故意による違反設計行為等を行った建築士について、資格の取り消し等の行政処分を大幅に強化することが必要である。

          ③建築士免許・建築士事務所の登録の欠格事由の強化

          現行法では免許の取り消しの日から2年を経過しない者等に対し、再び免許を与えない欠格事由が規定されているが、この欠格事由について期間の延長も含めて強化を図る必要がある。

          また、建築士事務所の登録についても、同様に登録の拒否事由が定められているが、これについても期間の延長も含めて強化を図る必要がある。




          担当建築士全員の名称記載、故意の違反建築士への職分強化、登録欠格事由の強化はみな当然だろう。

          (5)建築士、建築士事務所等に対する罰則の強化
          ①建築基準法における罰則強化

          国民の生命に関わる重大な建築基準関係規定の違反を行った設計者や建築主等に対しては、懲役刑の導入も含めて罰則を大幅に強化する必要がある。

          ②建築士法における罰則強化

          設計等において名義貸し等の不正な行為を行った建築士に対しては、新たな罰則を設ける必要がある。

          また、書類の提出義務に違反、帳簿の不備、虚偽の書類を備え置いた等を行った建築士事務所の開設者等に対しても、罰則を強化する必要がある。


          懲役刑も含む罰則大幅強化は、偽装が及ぼす社会的影響の巨大さから判断して当然の措置だ。

          日常的に行われている名義貸しに新たな罰則を設けて、取り締まりを始めることになる。

          (6)住宅の売主等の瑕疵担保責任の充実等
          ①住宅の売主等の暇庇担保責任履行の実効の確保

          住宅の購入者等の保護を図るため、住宅の売主等による暇痕担保責任保険への加入等職庇担保責任の履行の実効を確保するための措置を講じる必要がある。

          ②建築士事務所の損害賠償責任能力の強化

          建築主等の消費者の保護を図るため、建築士事務所の資本金等が不足している場合の損害賠償保険への加入等損害賠償責任の履行の実効を確保するための措置を講じる必要がある。

          指定機関だけではなく、売り主、建築士事務所も瑕疵担保・損害賠償能力を飛躍的に向上させ、ユーザー保護がきちんと担保されるようにすべきだ。

          国交省案(3/14)

          住宅売り主への保険義務化見送り。業者が保険に入るだけでは十分な補償ができない恐れがあるなど、課題が多いためとしている。損保業界も大量の審査が集中するため、適正な保険の運営が難しい、として反発したようだ。

          (7)住宅性能表示制度の充実、強化

          住宅の購入者等の保護を図るため、住宅の取引に際して、住宅性能評価の実施状況を開示することとするなど、住宅性能表示制度の充実・強化を図る必要がある。

          また、評価結果の信頼性を確保するため、指定住宅性能評価機関における評価方法等の改善を図る必要がある


          踏み込みが浅い。構造計算を伴う集合住宅に対しては性能表示を義務づけるべきだろう。

          (8)建築士及び建築士事務所、指定確認検査機関に関する情報開示制度の充実、強化
          ①建築士及び建築士事務所に関する情報開示の徹底
          i)処分を受けた建築士の氏名、建築士事務所の名称等の公表

          国土交通大臣又は都道府県知事は、建築士に対する免許の取り消し、業務停止等又は建築士事務所に対する登録取り消し、閉鎖等を行ったときは、その旨を公表することを法定化する必要がある。

          ii)建築士の氏名、業務内容等の情報開示

          建築士事務所の開設者に対し、毎年一回一定の時期に所属するすべての建築士の氏名、業務実績等の書類の提出を義務付けるとともに、都道府県知事はこれを一般の閲覧に供するようすべきである。

          ②指定確認検査機関の情報開示の徹底

          指定確認検査機関の業務実績、組織体制、出資状況・財務状況、監督処分の状況等の情報を開示することが必要である。

          自治体、特定行政庁に課せられている情報開示義務に較べて、建築士、建築士事務所及び指定機関に対するそれは、現状では実質的に皆無だ。

          その点から左記の対応は当然だろう。

          しかし、公平中立厳正さを求められる、いわば公的存在である指定機関については、組織の有り様だけではなく、特定行政庁と同様に、審査物件の情報公開も必要だろう。それが公的存在であることを鑑みれば、特定行政庁と差を付ける理由は何もない。

          企業秘密の壁が情報開示を妨げるようなことがあっては本末転倒だろう。

          (9)図書保存期間の延長

          建築確認図書等について指定確認検査機関に対して5年間の保存を義務付けているところであるが、保存期間を大幅に延長するとともに、特定行政庁についても指定確認検査機関と同様に図書の保存を義務付けることが必要である。この際、保存方法として図書の電子化の方法について検討すべきである。

          あわせて、建築士事務所に対して義務付けている設計図書等の保存期間(5年間)についても大幅に延長することが必要である。


          指定機関、特定行政庁及び建築士事務所に対する設計図書保存期間延長義務づけは当然の措置だ。

          なお電子化も理解できるが、誰が電子化するのかによっては業務量が膨大になるため、設計図書電子化の具体化については、具体的で実効性のある検討が求められる。

          5.施策の実現に向けて引き続き検討すべき課題
          (1)建築士制度に係る課題
          ①専門分野別の建築士制度の導入

          現在の建築士の業務は、多岐にわたり複雑化した分野に分かれていることから、建築士の専門分化のあり方について検討する必要がある。建築士の専門分化についてはその社会的必要性を明らかにした上で、

          • 専門分化する業務範囲をどのように定めるのか
          • 専門分野ごとに業務独占とするのか(現行、建築士は全ての分野について業務が行えるが、これを専門分野ごとの建築士でなければ当該分野の業務は行えないよう業務範囲を制限するのか)
          • 設計の整合性を図るためにどのような業務体制とすべきか(全体を統括する者を位置付けるべきか)
          などの点について検討を行う必要がある。
          ②建築士の資質、能力の向上

          構造設計等の高い能力を有する建築士の育成のため、大学等の教育機関での教育課程の充実等について検討を行う必要である。

          また、建築士としての業務倫理を徹底させるため、職能団体等を通じた倫理教育等の充実について検討する必要がある。

          さらに、建築技術の高度化、複雑化に的確に対応して、建築士の能力の維持向上が図られるよう、建築士による新技術等の習得方法やその徹底方策等について検討を行う必要がある。その一つの方策として、建築士免許を更新制とすることが考えられるが、期間の経過を理由に資格を喪失させることとなるため、他の資格制度とのバランスを考慮し、その必要性について検討を行うことが必要である。

          ③建築士事務所の業務の適正化

          建築士事務所の業務の適正化を図るため、管理建築士に一定の実務経験等の要件を課すこと、責任と権限を明確にすること、建築士事務所の組織体制、管理体制等の要件を設けることなどについて、専門分野別の建築士制度の検討と併せて、その社会的必要性や具体的要件等について検討を行う必要がある。

          また、元請け・下請けの契約の適正化、責任の明確化について検討を行う必要がある。

          ④工事監理業務の適正化

          工事監理業務の適正化を図るため、エ事監理業務内容を明確にすることにより報告内容を厳格化する等の検討を行う必要がある。また、工事監理業務適正化の一つの方法としてエ事施工者以外の工事監理者によるエ事監理を義務付けることが考えられるが、その必要性や実効性について検討が必要である。

          ⑤報酬基準の見直し

          設計及び工事監理の報酬基準についてその内容の見直しや実効性を確保する方策について検討を行う必要がある。

          ⑥建築士会及び建築士事務所協会等への加入の義務付け

          建築士や建築士事務所の業務の適正化を図る上で、現在は任意となっている建築士及び建築士事務所の建築士会や建築士事務所協会等への加入を義務付け、それらの団体を通じて、建築士等に対する指導、監督を強化する方法が考えられるが、これは建築士等に対する厳しい参入規制となることから社会的必要性を明確にする必要がある。

          また、偽装防止策として有効なものとするためには、団体の指導、監督体制の大幅な強化が必要であり、団体の団体会員への監督のあり方や、国や都道府県の当該団体に対する監督のあり方について検討を行う必要がある。


          今回の事件後最も早く取りざたされていたことの一つに、建築士制度の専門分化制と登録更新制がある。

          しかし、これらは共に将来課題へと先送りされてしまった。

          確かに課題として列挙されている事項の検討は必要であり、性急に定められない事項ではあるが、先送りする以上、期限を設けるべきではないか。






          職能団体を通じた倫理教育も必要だろう。













          管理建築士の法的位置づけの明確化は従来から課題となってきたことであり、この機会に整理すべきだろう。

          設計業務の重層下請け問題も、改めてメスを入れるべき課題だ。





          工事監理業務について施工者以外による監理義務づけまで検討課題に入っているが、その必要性には疑義を感じる。設計サイドによる監理業務と施工サイドの監理業務のそれぞれの役割分担が求められるのではないか。


          設計・工事監理報酬は特に設計委託の入札導入によって、過当競争を引き起こしダンピングを招いてきた。悪貨が良貨を駆逐する事態を改善する必要がある。

          (2)国及び都道府県、特定行政庁における監督体制、審査体制の強化と建築物のストック情報の充実

          本来、指定確認検査機関又は建築士事務所は法の趣旨に則り、自らの責任において業務を執行することはもちろんであるが、国民の行政に対する期待に応えるため、国及び都道府県、特定行政庁における指定確認検査機関や建築士事務所に対する監督、違反建築物対策などの体制整備及び厳正に構造計算書を審査する審査体制の強化のため構造専門の職員を増員することについて、検討する必要がある。この場合、構造専門の確認検査員の資格要件やその養成方法等について検討を行う必要がある。

          また、指定確認検査機関等に対する監督や違反建築物対策等を始め、建築物の安全安心を総合的に確保するため、建築物のストック情報に関するデータベースを整備し、行政機関の相互連携を強化することについて、検討する必要がある。この場合、その内容、方法等について検討する必要がある。

          行革の荒らしが吹きすさぶ中で構造専門の“公務員の増員”を打ち出した点は特筆すべきだろうが、指定機関温存を前提にしているが故に、いかにも歯切れが悪く、官民併存路線の矛盾と言える。

          その上で官による民のチェックが求められている以上、官側の確認検査能力の向上は不可欠の条件となる。





          ストック情報データベースは、ユーザーにとっても有益と思われる。

          (3)構造計算書に係る電子認証システムの導入の検討

          近年の電子化の急速な展開や電子署名、時刻認証、原本保存等に係る技術の進展に鑑み、今後、構造計算書の改ざん防止のための電子認証システムの導入について検討すべきである。

          構造計算認定プログラムに係る既得権益擁護を打破し、進展するIT化水準に見合った適正な電子化を図るべきだ。

            住宅性能評価激増は耐震偽装の影響か?

            国土交通省によれば、住宅性能評価の06年1月の実績は、対前年同月比で3分の2も増えたそうだ。

            性能表示制度、1月の実施状況を調査

            新築住宅の設計住宅性能評価は、受付が19,211戸(対前年同月比63.9%増)、交付が18,018戸(同63.0%増)と大幅に増加した。建設住宅性能評価は、受付が13,445戸(対前年同月比46.9%増)、交付が10,782戸(同12.8%増)となった。

            00年10月の制度運用開始からの累計は、設計住宅性能評価の受付が637,365戸、交付が614,457戸。建設住宅性能評価の受付が463,280戸、交付が336,418戸となった。(2006年3月24日 不動産流通経営協会提供)

            どうしてこのように激増したのか、その意味を探るために、この1月の伸び率を過去の伸び率と比較してみる。

            ◆対前年増減率の推移
            新築住宅 設計性能 建設性能
            受付件数 交付件数 受付件数 交付件数
            2005年1月 7.20% 9.60% 23.30% 46.80%
            2005年2月 -0.30% -10.50% 18.30% 40.20%
            2005年3月 36.60% 29.00% -3.40% 38.50%
            2005年5月 4.70% 6.80% 7.10% 42.20%
            2005年6月 17.30% 12.10% -3.80% -0.60%
            2006年1月 63.90% 63.00% 46.90% 12.80%

             ここ一年の伸び率の特徴

            まず、設計性能評定において06年1月は、受付及び交付件数が共に大幅に(63%台)増えていることが注目される。

            次に、上記の2つの伸び率はここ1年以内では最大値を占めたことが分かる。60%台の伸び率を示したことは上表期間内で初めてのことであり、しかも申請と交付がダブルでこれ程伸びたこともなかった。

            第三に、建設性能表示において申請の伸びに対して交付の伸びが数分の一に止まっていることが注目される。ここ一年以内で初めてのこの現象は、審査が厳しくなったためか、あるいはこれまでに較べて相対的に劣悪な申請が多かったためか、いずれにしても興味深い。


            さて、上記の特徴1&2は、何によってもたらされたのか?

            05年10月、同年11月、同年12月の対前年増減率が分かれば更に推測の根拠が明確になるのだが、06年1月の対前年伸び率の激増は、おそらく耐震偽装問題に起因すると見て間違いないと思われる。

            すなわち、これまでより遙かに大勢の施主が、「性能評定」を購入することによって安心を得たのだ。

            ところで、性能評定期間は実は殆どが指定確認検査機関である。指定機関は建築確認を降ろすだけではなく、性能評定も商売にしている。

            そこで次の疑念が湧く───「信頼できない民間機関」の"レッテル"は、性能評定取得にあたっては障害にならなかったのだろうか?

              「本当に!」───感嘆詞貧乏物語

               WBCにおける日本野球No1は、オリンピックが消化不良で不発に終わった後だけにそれだけ一層、待たされた「列島騒然、日本中沸騰」モードを喚起した。
               それにしても「日本人であることを誇りに思う」なんて街頭インタビューコメントまで飛び出したのには、流石に驚いた。(国粋主義的なニュアンスを感じ取ったことは、恐怖でもある。)
               日本中が喜びに浸り、美酒に酔い興じていることを詰る訳ではない。流れに棹さし、智に角を立てるつもりも毛頭ない。
               しかし、選手インタビューを聴いていて、いつも気になることが改めて気になって仕方なかった。


               それは喜びを"発光"させる選手たちの語彙不足、貧弱な言語空間である。
               つまり、嬉しさ、感動、歓喜を表す言葉が、悉く「本当に」という修飾語の繰り返しでしかないことである。


               サッカーでも野球でもゴルフでも、スポーツイベントの勝者インタビューで必ずと言って良いほど繰り返し、そして強調されて使われる「定番用語」、それが「本当に」である。それは、喜びの大きさを「本当に」という修飾語の繰り返しによって表現し、かつその繰り返しに拠ってしか表現し得ない、「言語貧乏」と言って良いだろう。「本当に」が発せられる度に、もっと他に語るべき言葉はないのか、と思えてしまうのだ。
               狂喜乱舞したい気持ち、天にも昇る思いを語る言葉として、喜び、感動、興奮状態などを修飾する以外にないということは、何と不幸なことではないか、と思う今日この頃なのである。
               「本当に」は、「非常に」、「大変」、「超~」などと並ぶ、新しい感嘆詞とでも言えるのかもしれない。
               裏返せば、ちょっとだけ嬉しい、日常茶飯事の当たり前の出来事は、心象風景としては「嘘」の世界、偽りの虚妄の出来事として映じているのかも知れない。

                国交省緊急調査委員会:中間報告批判

                ◆報告書が指摘する民間機関の様々な問題点

                中間報告では次のようにかなり率直に民間機関の様々な問題点が記述されています。

                • 「周辺住民との関係に無関心になり、……」、
                • 「建築主からの圧力を受けやすい立場にあるうえ、いったん確認すると、中間検査へ、さらに完了検査へとチェックを受けることなく進行してしまう怖さがある。」、
                • 「民間機関が確認した建築行為が第三者からの通報により特定行政庁が改めて調査したところ、違反事実が発見されたという事件も発生している。」、
                • 「利潤追求を目的とする株式会社等において、株主への利益還元及び顧客へのサービスの向上と、国民の利益の保護が、対立相反する場合が多々あり、……」

                ◆それでも“民”の確認検査機関を残すのか?

                中間報告では、このような民間機関の様々な問題点を率直に指摘しつつも、官から民への大合唱に抗うことが出来ず、頭から“民間機関存続ありき”を決め込み、根拠を示さず「民間開放は方向としては合理性をもっていた」と肯定しています。

                しかし、流石に、問題点の多様さと深刻さは無視できないのでしょう、確認後竣工までの中間段階での官によるチェックなど指導・監督の充実・強化を盛り込み、建前的に自治体住宅行政との連携の強化を主張しました。その上で、民間機関については、「民間に委任した以上、箸の上げ下ろしまで公側が関与するのは不合理である」と言いながらも、民間機関の責任強化、規律性向上、指定審査の厳格化、マネジメント機能の強化、評価指標の設定、継続監視を提言し、言うところの“箸の上げ下ろし迄”規制しなければならない状況にあることを認めざるを得ませんでした。

                しかも中間報告では「住宅は地域に建築され、住宅事業は自治体の住宅・まちづくり行政と密接な関係が構築されることが望まれる」として、折角住宅の公的性格迄踏み込んだにも拘わらず、それを「希望するだけ」に終わっています。

                結局、官と民の各々の「長所を活かし、短所を補う」とする“総花的な両者併存”の国方針は、破綻した“規制緩和、市場万能主義”を基本に据えつつも、官が民を規制・指導・監督することによって、民の短所、弱点を補うとする弥縫策を盛り込まざるを得なかったわけです。

                まちづくり関係条例を平気で無視し、上記のような多くの問題を抱えている民間機関!しかも自らの行為がもたらす損害賠償責任は自治体に押しつけてしまう民間機関!

                二重チェックするくらいなら、官が力量を高めた上で全確認を審査検査した方が、遙かに安心安全で、効率的であり、建築界の病理を癒すことが出来るのではないでしょうか。(※1)

                営利目的の民間機関に公正・中立・厳格な審査を望めないことは、子供でも分かることですし、緊急調査委員会の論議野中でもそのような意見が出されています。にもかかわらず、“存続ありき”の論議に終始しました。「公共と民間の特性を踏まえた確認検査体制の充実・強化等」と言えば、聞こえは良いですが、そこには「二兎を追って一兎も得られない」危険性があります。両論併記・総花論議の域を出ていない、と言わざるを得ません。これでは“1998年”の二の舞(※2)になりかねません。

                ※1.  存続前提の上でも民間機関の欠点は認めざるを得ないためか、苦肉の策として「議論」では、「民間機関が確認し、それを行政が中間検査する」という官民折衷策を論じています。しかし、もしそうした場合には、民間機関の審査ミスを中間検査段階で発見した場合で、それまでの工事に違反があったりした場合等、大きな混乱が想定されます。官民による「二重審査・検査」がもたらす非効率と混乱を考慮すると、官民折衷確認行為は好ましい方策とは言えません。それ程までの非効率をするくらいなら、始めから行政が審査し検査すれば良いことです。
                ※2. 1998年の第142国会(基準法抜本改悪国会)の時にも、当時の建設省高級官僚は、「民間に開放したとしても、決して行政職員を削減するというふうなことではなく、より強力な体制と拡充は必要であると思っている。」と答弁していました。また、「行政の実力をもう少しびしっとしたものに作り上げていく、というふうなことについても、同感でございます。・・・民間に対してもそれなりの体制を構築し、併せて全体として執行体制を考えていくべきだ。」とも答えています。行政機関の体制を強化するよう指導する」などの参議院附帯決議に付けられましたが、それは一向に実施されませんでした。「ざる法とは言わせない」と当時の住宅局長が檄を飛ばしましたが、行き着いた先は耐震偽装でした。民間機関に検査を開放した大「改正」は、当時の建設省の言い分とは全く裏腹に“ざるの目を更に粗くした”のです。  このように、1998年の法改正当時から既に二兎を追っていた訳です。そして、それにも拘わらず、その到達点が今回の耐震偽装だったのです!

                中間報告(抜粋) コメント
                1 建築確認検査制度について
                ① 審査の方法等の改善

                審査者が的確に設計者の意図を把握し、必要に応じ、面接方式で審査することとする。

                審査・検査を全体として充実する必要があり、特に、中間検査の充実等による、実物のチェック体制を強化する必要がある。

                共に、当然の主張。一部の自治体では1999年6月当初から中間・完成検査とも全数を対象として検査しており、そのような自治体における問題は、検査の実施ではなくむしろその内容の充実化にこそある。この指摘は余りに低い全国的水準に照準を当てた指摘、と言える。

                ② 審査者の能力の向上

                専門的な能力を持った者が審査することを担保する制度とすることが基本的には必要であるが、人材の数にも限界があるという現実も踏まえて、ピアチェックの導入など建築物の安全性を担保できる他の方法を検討すべき。

                建築物の規模や用途等に応じた的確な審査の方法を確立すべきである。

                (例) 小規模なものは確認(従来通り)、中規模なものはピアチェックの導入、大規模なものは大臣の直接審査(認定等)とする。また、建築物の規模等に応じた審査期間を設定する。等

                これらの主張はそっくり基本制度部会中間報告に盛り込まれた。なおピアチェックについては当初の委員会報告案にはなかったが、JSCAの意見を踏まえて盛り込まれた。

                当初案の名残として、「認定プログラムで計算したものはピアチェックを省略できる」という抜け道が残されたことが問題だろう。

                ③ 審査機関の役割・責任

                審査のあり方と審査機関の責任を、制度として明確にする。

                審査機関の最低限行なうべき仕事を明確化する必要がある。

                あり方と責任の制度的明確化は当然のことだ。特に、民の審査物件に対する賠償責任を官が負うという民を甘やかす現行制度が、変更されるかどうかが1つの焦点となる。

                最低限業務の明確化はマニュアルに従って業務を行うことを意味する。余りに低い全国的な水準に対応した措置と言える。

                ④ 構造計算プログラムのみに依存しない審査方法の検討等

                構造計算プログラムのみに依存しない設計及び審査のあり方を検討する必要がある。

                また、過度で安易なコンピュータ依存を防止するために、プログラムの大臣認定制度のあり方の再検討を含め、構造設計者やプログラム開発者らが情報技術(IT)を真に設計に活用することを促す仕組みに変更する必要がある。

                性能規定化で導入された難解な限界耐力法及びエネルギー法による計算が、計算プログラムによるブラックボックス化によって審査者に理解されないまま審査を通過している現状への告発である。認定制度の再検討はコンピュータ・ソフト依存を断ち切る為に必要である。

                遅れたIT化への注文は当然のものであるが、逆に余りに遅れている点が暴露され、それが照射されたと言える。

                ⑤ 罰則の強化について

                罰則の強化、行政罰の導入等の抑制力の強化を図るべきである。

                罰則強化、行政罰導入は当然の措置だろう。

                2 確認検査機関について

                民間開放は方向としては合理性をもっていたと考えられるが、導入に当たっての特定行政庁と民間確認機関との役割分担、民間機関が確認事務を適正に行うための動機付け、導入後の事後的、継続的な監督のあり方等について、検討、対応が十分ではなかった

                頭から民間機関存続ありき、の論理である。「役割分担や監督について、検討も対応も不十分だった」そんな制度のどこにどのような「合理性」があるというのだろうか。最初のボタンを掛け違えている!

                ① 公共と民間の特性を踏まえた確認検査体制の充実・強化等

                民間を活用することは、効率的で実効的な行政の実現のため有益であると考えるが、国民に対する最終的な責任の所在を明確にしつつ、公共、民間の長所、短所を十分に認識し、両者の的確な活動により、需要者である国民からみて、よりよい制度へと充実・強化を図っていくことが大切である。

                例えば、それぞれの長所、短所としては、建築基準法の定める基準が、大別すると、①建築物の耐震性能、耐火性能、設備の基準など、いわば純粋に工学的技術に関わるもの(単体規定)と②建物の高さや大きさ、日影などの建物敷地の周辺の関係に関わるもの(集団規定)とがあるなかで、

                ○ 公共は、まちづくり行政の担い手として、集団規定について、まちづくり条例等との関係にも精通し、また、紛争等への対応も迅速にできる(長所)、一方、高い技術力を必要とする建築物の審査能力を有する職員をすべての特定行政庁でそれぞれ揃えることは困難(短所)ではないか。

                ○ 民間は、全国をカバーする機関などで、高い技術力を有する検査員を揃えることも可能であり、技術の進歩にも速やかに対応出来うる(長所)一方、周辺住民との関係に無関心になり、結果として、批判を受けやすいのではないか(短所)

                などがあると見られる。

                二兎を追う姿勢は1998年の基準法改正時と同じだ。両論併記的・総花的対応で、地に落ちた確認検査体制の充実強化は望めないだろう。

                報告では、「公共は、(長所)まちづくり条例等に精通し、紛争棟に迅速に対応出来るが、(短所)全ての特定行政庁に高い審査能力を期待することは出来ず、民間は(長所)高い技術力があるが、(短所)周辺住民との関係に無関心」と総括しており、それぞれの短所をそれぞれの長所で補う方向性を示唆している。

                ここで述べられていることを踏まえて、②以降の方策が出されている。

                ② 特定行政庁の役割の強化

                中間検査など建築現場での検査・審査の充実・強化、民間確認機関に対する指導監督の充実・強化を図るとともに、

                まちづくりに関して、住民ニーズを踏まえた建築物についての条例の策定・活用など建築活動への行政としての関わりの強化を図っていくことが求められる。

                ここで行政に求めている検査審査の充実とまちづくりへの関与強化は、これまでも求められてきたおよそ当たり前のことだ。新しさは民間確認機関に対する指導監督の充実強化だけである。

                しかし、肝心の指導監督の充実強化策の具体的内容はまるで分からない。

                ③ 民間機関の活用

                不正やミスを見破り中間検査や完了検査を入念に行うためには、相応の費用・時間・人手がかかるのは当然である。

                民間機関が確認した建築行為が第三者からの通報により特定行政庁が改めて調査したところ、違反事実が発見されたという事件も発生している。民間機関は建築主からの圧力を受けやすい立場にあるうえ、いったん確認すると、中間検査へ、さらに完了検査へとチェックを受けることなく進行してしまう怖さがある。

                一定規模以上の建築物や特定用途の建築物については、中間段階で特定行政庁のチェックを受けさせる仕組みなど、民間機関による建築基準法適合の審査が、より確実となる仕組みを検討する必要がある。


                ▼民間機関活用の意義・問題点の例

                • 民間活用により、高い技術にも対応が可能となり、また、完了検査の実施率も概ね倍増・違反建築物の大幅な減少
                • 一方、利潤追求を目的とする株式会社等において、株主への利益還元及び顧客へのサービスの向上と、国民の利益の保護が、対立相反する場合が多々あり、その場合に、国民の利益の保護に立った行動を当該機関がとるための行動規範の整備が必要

                ▼民間機関の責任の強化

                責任範囲と、必須手続きを明確にする必要がある。この際、手続きのみをもって足りるとせず、建築設計により実現しようとする建築物の性能が建築基準法に適合していることを確認する審査とする必要がある。

                ▼建築確認業務の規律性の向上

                高度な技術を持つ確認検査員の採用、標準的な審査期間と確認検査手数料の設定、違法確認の公表制度の実施など、建築確認業務の規律性を向上させ、建築物を建築基準法の求める基準に適合させるために実効性のある仕組みを構築する必要がある。

                なお、標準的な審査期間、確認検査手数料の設定については、上記の意見に対し、審査期間や検査手数料の限定が、期待される審査の阻害要因になっているとの認識から、市場競争のなかで適正な価格・期間は設定されるという前提にたち、自由競争に任せるべきとの意見もあった。

                ▼民間機関の指定審査の厳格化

                民間機関の公平中立要件等を強化するとともに、民間機関の指定(更新を含む。)の際、業務の実施方法、実施体制等について、学識経験者等の第三者の意見を聴き、厳正な審査を行う必要がある。

                ▼民間機関のマネジメント機能の強化

                重要な任務を担っているにもかかわらず、結果として、その使命を果たし得ていないことは明らかである。関係者は自己弁護にその時間を消費するよりも、その改善に心血を注ぐべきである。

                民間に委任した以上、箸の上げ下ろしまで公側が関与するのは不合理である。むしろ、民間確認検査機関自身が、国民の利益の代理者として、建築基準法などへの適合を確認審査できるようなマネジメントシステムを自らの創意工夫によって確立し、国・特定行政庁は、そのマネジメントシステムが有効に機能しているか、継続的に監視していくような体制を早急に確立する必要がある。

                ▼民間機関を評価する指標等

                国民の利益の代理者として精度の高い審査を行っている民間確認検査機関が、市場競争において有利に扱われることになるように、民間機関を評価する指標(パフォーマンス指標)の設定等、民間機関のよりよい審査が業績とリンクするよう動機付けの仕組みを組込むことを検討すべきである。

                ▼民間機関への継続的監視

                民間確認検査機関が構築したマネジメントシステムが、国民の利益を守るという立場から見て有効に機能しているのか、国・特定行政庁は継続的に監視していく仕組みを確立する必要がある。実質に踏み込んだ、抜き打ち検査の常時実施等、民間機関に対する監督を強化する必要がある。また、この際、国と特定行政庁の監督責任を明確にする必要がある。

                さらに、目的を達成するため民間機関職員及び国民からの公益通報制度の導入も検討されるべきである。

                ▼自治体住宅行政との連携の強化

                住宅は地域に建築され住宅事業は自治体の住宅・まちづくり行政と密接な関係が構築されることが望まれる。

                民間確認検査機関は、全国展開する企業など地元の状況に暗い場合も多く、また、法適合を確認するという建築確認の性格上、まちづくりとの関係について、あまりにも無関心になりすぎる面もあるとみられる。今後は、自治体や建築主への情報の提供等自治体の住宅・まちづくり活動へ協力の強化について検討する必要がある。

                民間機関の活用と題したこの部分は、民間機関「活用」についての委員会議論が、如何にまとまらなかったかを象徴しているように思われる。

                “活用”と称しているにも関わらず、圧倒的に多くの問題点が記されている。完了検査実施率向上は民間だからそうなったわけでもないのに、民間故と偽装して持ち上げられている。詰まるところ、民間の活用方策について述べられていることはただ1つ、「それを活用する」だけというお粗末な結論に過ぎない。

                しかも民間は「建築主からの圧力を受けやすく、いったん確認すると、中間検査、完了検査へとチェックを受けることなく進行してしまう怖さがある。……株主への利益還元及び顧客へのサービスの向上と、国民の利益の保護が、対立相反する場合が多々あり……」───つまり“民間機関は信用できないから”、「一定規模以上や特定用途の建物については、中間段階で特定行政庁がチェックする仕組みを検討する必要がある」として二重チェックを求めている。

                これ程非効率で無駄なことがあろうか。最初から特定行政庁が審査・検査した方が、余程効率的だろう。それこそ1998年の基準法改正時に、自公民が強調した“スピードアップ”に繋がるというものだ。

                「……手続きのみをもって足りるとせず、基準法適合を確認する審査とする必要がある」───今更このようなことを報告書で言わざるを得ない程に、民間機関は為体だということになる。裏返せば民間機関はこれまで「基準法に適合しているかどうかを確認するのではなく、手続きがあっているかどうかを確認していたに過ぎない」という実態が存在していて、それを敢えて暴露し、告発した───と解釈するしかない奇妙な文章である。

                民間機関に“箍(たが)をはめる”措置が綴られている。規制緩和による“規律なき”現行制度を若干手直ししようという微少な軌道修正だ。その軌道修正自体に異論はないが、小手先の対応と言わざるを得ない。

                それにしてもこの期に及んで市場原理を信奉・強調し、価格・期間とも箍を嵌めずに自由競争に委ねるべきとの意見が出ていることには、驚かされる。

                公正中立要件の強化は結構なことであるが、具体的に何を指しているのか、皆目分からない。株式会社ではない非営利組織にするとでも言うのだろうか?

                指定時の厳正な審査については余りに当然の措置である。

                報告書に記述すべきことか疑問に思われるが、イーホームズのこの間の対応を前提にしているのであろう、民間機関を厳しく叱咤している。

                「民間確認検査機関自身が、国民の利益の代理者として」、と述べているが、特定の株主から出資を受けた営利目的の民間企業が、国民全体の利益を代理することなど出来るはずがない。論理矛盾だ。

                「マネジメントシステムを自らの創意工夫によって確立し、国・特定行政庁は、そのマネジメントシステムが有効に機能しているか、継続的に監視していくような体制を早急に確立する必要がある。」───実現性に難のある方策だ。

                「民間機関を評価する指標の設定等、民間機関のよりよい審査が業績とリンクするよう動機付けの仕組みを組込むことを検討すべき」とあるが、評点を付けて認定するようなシステムになるのだろうか?、具体性に欠ける。

                民間機関を継続的に監視するために、①国・特定行政庁による継続的監視、②抜き打ち検査の常時実施等、民間機関に対する監督強化、③国と特定行政庁の責任の明確化、④公益通報制度の導入と四点セットが打ち出された。

                最高裁・横浜地裁判例によって、民間機関による確認でも、自治体事務であり、その損害賠償責任は特定行政庁が負うとされたが、この判例の根拠となった条文を改正すべきである。民間機関は言うまでもなく自治体から独立した機関であり、それが「国民に責任を負う」とする以上、当然民間機関にその賠償責任も負わせるべきである。つまみ食い的な中途半端な民間検査機関をそれでも残そうとする足掻きは理解に苦しむ。

                住宅が街づくり行政と密接な関係にあることを、今更ながらに強調せざるを得ないところに、今日の住宅事業の貧困がある。

                地元に暗く、まちづくりとの関係に余りに無関心になりすぎる面がある───そんな民間機関を何故残さなければならないのか?

                否定的側面をあれこれと率直に述べながら、結局存続ありきの前提に繋げるために、その不十分さを自治体がカバーする、フォローする、という構図になっている。

                そこまでして官が民を助けること自体、市場原理盲信、規制緩和万能論の底の浅さを示している。

                3 資格等の人的体制について

                建築士の資格制度について、大幅な見直しを行うとともに、併せて、建築士の地位向上についても検討すべき

                この指摘は当然である。

                ① 構造等の専門家を認証する等の仕組みの整備

                現在の「建築士」は建築技術者の基礎的な資格としてそのまま置き、その上部に、意匠、構造、設備などの各専門分野別に高水準の専門技術者を位置づける必要がある。

                この措置も当然と思われる。問題は基本制度部会がこれを将来課題として先送りしようとしていることにある。

                将来課題とせずに、早期にそれを実現すべきだ。

                ② 職能団体の活用等による実践的倫理の強化

                各職能団体に対し、倫理綱領が実効性を持つように、速やかに、「倫理プログラム」を作成・構築するよう促す必要がある。

                有効な倫理プログラムを持った職能団体メンバーであることを開示する慣習を作っていくことによって、職能団体に加入することのメリットを生み出し、行動規範の徹底を促していく必要がある。

                諸外国では、倫理教育が必須のカリキュラムとなっていることも踏まえ、わが国でも建築士の育成過程でこれを導入する必要がある。

                精神論ではなく、具体的状況下における、倫理的観点からの行動規範が求められる。

                民間団体の倫理強化を国の審議会が強調せざるを得ないこと自体が異常事態だろう。しかし、そもそも倫理低下が何故起こったのか、その拠って来たる原因を把握せずに、対症療法だけを述べ尽くしたところで、問題の解決には繋がらないだろう。

                儲け偏重、横行する下請け単価切り下げ、設計職能の施工会社からの未分化・非独立化などが打開されなければならない。

                ③ 責任に応じた建築士の地位の向上等

                建築士に高い倫理観を求めることが大切であるが、そのためには、それにふさわしい待遇が保証されていなければ、画餅に過ぎない。

                このため、市場における競争により、良い建築士が国民によって選ばれ、地位が向上することが基本であるが、圧力等により不正をはたらくことのないよう、設計に関する料金等の確保等、建築士の地位の向上について検討する必要がある。

                また、設計者など建築に関わった者の名前を表示する制度(顕名制度)や技能の顕彰等を通じた地位の向上も検討の必要がある。

                待遇向上は切望されるところだ。「圧力により不正を働いてしまう」構造を変えなければならない。

                4 消費者保護等について
                ① 保険制度の活用等によるリスク回避の仕組みの確立

                住宅品質確保法により、10年間の瑕疵保証が義務化されたが、責務はあっても経済的裏付けがなかったり、倒産の場合は、結局消費者が困窮する。また、住宅以外の建築物についても、リスク回避の仕組みへのニーズは高い。

                このため、保険制度の活用等によるリスク回避の仕組みを確立することが大切である。

                また、故意や重過失により保険が適用されない場合の救済制度についても併せて検討する必要がある。

                客観的に実現可能性が低い担保制度では意味がないのであって、今回の事件は、品確法が杜撰な法律であったことを証明した。国民を守らず、業界を守った、とのそしりを免れないだろう。

                保険制度についても1998年の基準法改正時から整備が問題にされてきたが、一向に進捗してこなかった。国の怠慢の責任は重い。

                ② 情報開示の徹底

                マンション購入者については、自己責任との声がある。住宅は一生の買い物であり、消費者が十分に注意を払うのは当然であるが、委員会に寄せられた情報では、購入前に建築士等専門家に依頼してチェックしたにも拘わらず、偽装を発見出来なかった例がある。

                消費者が自己責任を全うするためにも、設計者、構造計算書を含む設計図書等の、分譲業者等からの徹底した情報開示の仕組みを早急に確立する必要がある。

                徹底した情報開示制度は当然求められるが、被害者の自己責任論が巻き起こった背景を分析する必要があるのに、触れず仕舞いだ。

                様々な災害・事件に対して、公の責任を自己責任に転嫁して来た政治のツケがこんな所にも表出したと解するべきだ。現象だけを述べてその背景を分析しないのは審議会として無責任だろう。

                ③ 性能表示の充実

                建築・住宅の性能には多様なグレードが存在していることを理解し、その上で建築主や居住者がグレードを自由に選択しうることが望ましい。(例えば耐震性能については、震度6に対して①全く損傷が生じない、②多少損傷するが、修復可能、③かなり損傷して修復不可能だが人体の安全は守られる、といった3段階が想定できる)。

                このため、マンション等の一定の建築物について、住宅性能表示制度の義務化や促進、不特定多数の人が利用する建築物への拡充等を検討する必要がある。

                性能表示の義務化を推進することは必要だろうが、その費用軽減も併せて検討すべきだろう。

                性能を証明することも金次第というのでは、安全を保障すべき公の責任をないがしろにすることだろう。

                ④ 「青田売り」の功罪

                住宅を完成しない前に販売するいわゆる「青田売り」は、事業者が資金を早期に回収する目的で一般に行われている。未完成の住宅を購入するのは需要者にとって大きなリスクがあり、不利を免れない。他方、需要者が図面上だけでなく工事途中の建築現場を視察・調査出来るならば、完成時には隠されている筈の構造を目視できる可能性がある。最近、分譲住宅について工事現場を需要者に積極的に公開するという動きがみられることから、今後、その普及を図る必要がある。

                売り手優遇、消費者冷遇の構造の問題点は指摘したものの、それを根本的に変える意志はないようだ。

                売り手の良心にすがるしかない結論では問題は解決しないだろう。

                ⑤ 「ハウスドクター」のすすめ

                住宅需要者は豊富な市中の情報の中から、信頼できる情報の選択に悩んでいる。現今、多くの自治体が“住まい・まちづくりセンター”といった窓口を市街地中心部に設けて市民の相談に応じている。この窓口には地域の建築・不動産業団体や弁護士会もボランタリーとして参加する例が増えている。

                住宅需要者にとって個別、具体的な仕事を検討する段階で建築家や事業者と良好な関係が築かれることが望ましい。かつて“出入りの大工”が存在したごとく、また今日、近隣に“かかりつけの医者”がいるように、“かかりつけの建築士”としての「ハウスドクター」を居住地域の中に持ち、新築、購入、リフォーム、修繕、売買など、あらゆる住宅関連活動についての相談できることは非常に好ましい。信頼回復に向けた業界としての取組みを期待したい。

                建設労連や民商などが各地で奮闘して、住宅相談などに応じているが、住む権利を保障する観点から、自治体がもっと積極的に相談窓口を開設し、需要に応じるようにすべきだ。

                また国がそのような相談窓口開設を率先して支援すべきである。

                5 情報収集の仕組みの整備

                ① 情報収集体制の整備

                今回の問題で、国土交通省は、偽装の疑いに関する最初の情報に対し、適切に対応していないと思われる場面がある。これは、企画・実施部門が、指導・監督部門を兼ねており、もっぱら情報収集に努める仕組みでないことも原因とみられる。

                チェック機能の向上のためには、より専門的、積極的に情報収集に努める体制の整備について検討する必要がある。

                企画・実施・指導・監督部門のあり方と関わり方は、多くの官庁が抱える共通した問題である。

                行革による“闇雲な人員削減”が組織論的にも力を低下させていることを認めなければ、改善はおぼつかないだろう。

                ② 情報収集窓口の適宜設置等-内部通報等の収集-

                情報収集のソースとしては、内部情報の収集が効果的であることを踏まえ、適宜、情報窓口の設置について検討する必要がある。

                重大な法違反については、確認審査機関等に対し、通報等の責務を負わせる等の対策を検討する必要がある

                情報窓口の設置と通報義務づけ波頭善の措置だろう。

                6 被害者救済等問題発生後の対応の仕方
                ① 救済についての原則の確立等

                公の責任と自己責任を明確にするとともに、行政判断としての措置について検討を深め、救済の原則について検討する必要がある。

                なお、公が国民の安全と救済に責任を持ち、そのために能動的・果断なる行動をとることは当然であるにしても、結果的に「住宅を購入できない所得階層からも集めた税金を、住宅を購入できる人々の救済に使うのはおかしい。」といった声もあることから、救済のための財政支出には慎重であるべきで、むしろ、保険の充実など当事者の相互扶助的救済制度を国の責任で早急に整備すべきであるという意見もあった。

                公的責任・自己責任の明確化は必要だろうが、徒に自己責任を重く捉え、公的責任逃れになってはならない。

                保険による相互扶助は詰まるところ公的責任の放棄であり、自己責任の押しつけである。自己責任制度の整備だけが国の責任ではない!

                公的責任を明確にするためにも住宅を社会資産として捉える法的な位置づけが不可欠となろう。

                ② 救済策の国民への説明の充実と一層のスピードアップ

                国の支援については、その考え方等につき、必ずしも十分に理解は得られていない。

                賠償責任と居住の安定、危険の回避等の行政の対応との区別等を明確にし、国民の理解をえる努力をさらに深める必要がある。

                また、国土交通省と地方公共団体との意思疎通が不十分な面もみられることから、実施については、消費者の立場にたって、迅速に行うことが期待される。

                異論はない。

                ③ 安定的な救済スキームの事前準備の推進

                消費者の安心のためには、今回の支援は例外なのか、あるいは将来、自分が巻き込まれたときに支援があるのか等を明確に示すことが大切である。

                非姉歯1号、2号が登場した今、支援の一般化が不可欠となっている。

                ④ 建て替え、耐震補強工事等についての技術支援

                安全性に問題のある建築物について、自力で建て替え等を行う所有者に対しても、国、地方公共団体が連携して、必要な相談への対応など技術的な支援措置を講じる必要がある。

                当然の措置だ。

                7 関係住民や国民に対する情報提供のあり方
                ① 迅速かつ正確な情報提供の推進

                今回の事件及びその後の混乱は、建築物の耐震に関する知識やわかりやすい解説が、その必要性も含め、一般国民はおろか、建築主や行政機関関係者にすら正確に普及していなかったことに端を発していると考えられる。

                全国民に向けて、建築基準法の内容をわかりやすく解説したホームページやパンフレット、教材などを作成し、その正確な知識の普及に取り組む必要がある。

                また、信頼の回復には、国民に対して常に情報を適宜提供していくという姿勢が最も大切であり、国は、迅速に最大限の情報提供を行うべきである。

                但し、調査不足で曖昧な情報が流布することはかえって国民を混乱させることもあるので、適切な情報提供については、一定の指針を定め、職員個人の判断に任せず、組織として対応する仕組みを作ることが大切である。

                世界に冠たる地震国でありながら、建物の耐震性に関する知識が広く普及してない事実は、確かに存在するし、早急に改善されるべきだろう。

                振動実験を広く公開宣伝するなど、パンフレット・教材等以外の具体的な様々な方法も検討・実施されるべきだろう。

                ② 的確で信頼性のある技術情報の提供システムの整備

                建築物の耐震設計技術は日々進歩しているが、これらの実用化と普及が重要である。専門技術について、国民の不安を引き起こすことのないよう行政が活用しているような安定した技術について、的確で信頼性のある情報を国民に提供できる仕組みを検討する必要がある。

                技術の実用化と普及について、行政が活用している安定した技術情報を提供しろ、とは一体何を指しているのか不明である。

                8 人材育成のあり方

                国民の利益の代理人であるという行動規範を実行するに足るだけの意思・見識と高度な技術を有した建築士、建築技術者が今まで以上に必要である。

                「国民の利益の代理人」とは新鮮な言葉である。そうだったのか、と驚く建築士が多いのではないだろうか。会社の利益や組織の利益に奉じていて、国民の利益から遠いところにいる建築士が多いのが実態だと思われる。

                ① 構造等の専門的知識を有する技術者の育成

                大学等の教育機関での教育の充実、学会や団体での研修の強化を検討

                当然の措置だ。

                ② 倫理観を備えた人材の育成

                諸外国では、倫理教育が必須のカリキュラムとなっていることも踏まえ、建築士の育成過程でこれを導入する必要がある。(再掲)

                職能団体において、実践的な倫理綱領等を整備し、その遵守を促す仕組みを検討する必要がある。(再掲)

                倫理教育の導入、倫理綱領の整備も当然の措置だろう。

                ③ 特定行政庁での民間の人材活用

                任期付任用制度の活用により、民間で実務経験のある建築士を特定行政庁の確認審査事務に充てることを検討する必要がある。

                この制度を導入すると、一時凌ぎにはなっても、ますます行政機関の審査能力は低下するだろう。

                自前で育てることを原則に置くべきだ。

                  複数の解答がある構造計算

                   許容応力度法出も計算ソフトを変えて再計算したら強度増!

                  ───複数の解答がある構造計算───


                   asahi.comは「建て替え物件、同じ計算法でも強度増 住民、補強も視野」と報じた。(2006年03月19日06時11分)
                   新宿区において、許容応力度法では強度不足だった物件を施主要望により限界耐力法で再計算したところ、耐震強度は1を越え「安全」とされたことは記憶に新しい。
                   今回の事例は、許容応力度法という姉歯容疑者と同様な計算方法を採用した場合であっても、モデル化やそれにより入力する値、使用する計算プログラムあるいはそのバージョンによって、異なる答えが出ることを意味している。
                   一定の数量的基準を設けない限り、偽装マンションの対応策が定められなかったであろうから、耐震強度(保有水平耐力/必要保有水平耐力)という数値によって適不適を判断したことに間違いはないと言えるだろうが、このように異なる数値が次々と出てくることは、混乱を助長することは間違いない。
                   また、最終的にどの数値を「認知」するかは、報道に拠れば国は自治体に委ねた。これは「特定行政庁」の間違いだと思われるが、特定行政庁の判断能力が問われるような事例が複数発生している中で、被災住民からすれば、果たして「判断を信用できるのか」との疑念を抱くことも起こり得るだろう。
                   構造計算結果について、国が改めて整理した対応を示す必要があるのではないだろうか。


                  耐震強度が0.31しかないとされ、建て替え支援対象となっているグランドステージ(GS)東向島(東京都墨田区、36戸)について、住民が姉歯秀次元建築士と同じ計算法で改めて独自に調べたところ、強度が0.5を上回った。……偽装された建物の強度をめぐっては、0.85とされた東京都新宿区のマンションを姉歯元建築士とは別の新しい計算法で調べ直したところ、1を超えて「安全」とされたことが明らかになっている。従来の計算法で計算し直しても異なる結果が出たことは、強度の数値で支援内容を分けることの難しさを示している。……
                   強度が上がれば補強で対応できる可能性が広がり、補強は一般に建て替えより追加負担が少ない。住民は建て替えを軸に、補強も選択肢の一つとして対応を検討している。
                   国交省が昨年11月に公表した0.31という強度は、国交省の関連研究機関が再計算し、墨田区もGS東向島の元請け設計事務所に尋ねてほぼ同じ結果を確認した。住民たちは事態の解決に向けて手を尽くす過程で、専門誌「建築知識」編集部とともに東京都内の構造設計事務所に依頼し、姉歯元建築士と同じ計算法の「許容応力度等計算」で強度を調べた。姉歯元建築士と同じ構造計算ソフトと違うソフトの2通りで計算した結果、強度の最小値はそれぞれ0.56、0.54でともに0.5を超えた。
                   震度5強相当の揺れで建物がどうなるかをシミュレーションすると、梁(はり)や壁にひび割れが生じ、鉄筋は伸びるものの、倒壊はしない可能性が高いという解析結果が出た。
                   公表されている強度と自主検証の結果が違う場合について国交省は「住民が自治体に検証結果やその根拠を示して話し合い、どちらの強度をとるかは自治体が判断する」としている。
                   国交省建築指導課は「建て替え支援の対象マンションでも、実際に建て替えるか補強するかは住民の選択になり、0.5未満だから補強は不可能という意味ではない。((3)の)補強が困難というのは住民の合意形成や技術面を指している」と説明する。
                   補強する偽装マンションにはその費用の約15%が公費助成される。0.5未満の建物が建て替えではなく、補強することになっても助成することに変わりはないという。
                  ……いま検討されている計画では、GS東向島の建て替え費用は計7億円前後に上り、追加負担は1世帯あたり約2000万円になる見通しだ。これに対し、改めて強度を調べた設計事務所によると、補強に必要な費用は一般的には2億円程度とみられ、約15%の助成を受けると、1世帯あたり500万円程度の追加負担で済む可能性があるという。(asahi.comより)


                    余震広がる

                     小樽市で「浅沼容疑者設計の物件が2棟ある」ということで慌ただしい動きがあったようだ。「耐震偽装」建築士の関与、小樽市内に2件判明!(2006/3/8)小樽ジャーナル
                     低層建築物のようなので泰山雷同・・・のようだが、姉歯偽装によって千葉や東京、神奈川がそうであったように、道内は浅沼事件一色に塗りつぶされているのだろうか?
                     「一事が万事」そんな言葉が思い起こされる。氷山の一角とは、類が類を呼び、朱に交わって赤くなってしまう世界のことであり、水面下には無数の悪が広がっていることを予感させる事態になってきた。
                     子供が殺人を犯し、大人がいたいけな子供を平気で殺し、毎年3万人以上が自殺し、格差拡大に時の首相はそれも当然と開き直るこの国。アメリカだけの独りよがりのスタンダードが、グローバルスタンダードとして大手を振るうこの世界。
                     狂った世界の朽ちた果実が姉歯であり浅沼なのだろうか?
                    ───マスコミ流に言えば、よく考えてみなければなりません。

                      北海道知事 再々計算を表明!───これって今までやってきたことの否定に他ならないのではないか!

                       道が既に調査を行った約千六百棟の物件について、新年度から、あらためて耐震強度の再点検を行う方針を表明した。道によると、再点検の対象は姉歯秀次・元一級建築士による耐震偽装事件を受け、緊急点検した道内千五百八十八棟。札幌や旭川など独自に確認業務を行っている人口十万人以上の道内十市にも同様の確認を要請する。
                       姉歯建築士による偽装事件は鉄骨量を減らす手法だったため、道はこれまで鉄筋の本数などを重視して点検を進めてきた。しかし、今回の浅沼建築士の偽装は、構造計算書類の数値に工作するものだったため、再点検に踏み切ることを決めた。──北海道新聞より引用

                       まず、敢えて誤表記について指摘しておこう。「鉄骨量を減らす」ではなく「鉄筋量を減らす」の明らかなミス!!→→しっかりせいよ!北海道新聞!
                       次に、点検は偽装有無を点検したのではなかったのか? 犯罪のパターンに沿ってその限りでのチェックしかしなかった、そのこと自体極めて杜撰ではないか! 別の偽装パターンが発生したらまたぞろそのパターンに沿った点検をするとでもいうのか?───その場凌ぎ、アリバイづくり、その限りでいわば「偽装」的点検と非難されても弁明の余地がないのではないだろうか!!?
                       混乱に拍車を掛け、失墜した信頼に鞭を打つような北海道の対応と言わざるを得ない。官であれ民であれ、しっかりせい!───と声を大にして叫びたい。
                       こんな為体だから偽装犯に付け入られてしまうのではないか?、と言うと言い過ぎだろうか?

                        特定行政庁の審査能力が再び問われている。しかしその上で・・

                         やはりそうだった。熊本県と同じように札幌市もまた、構造計算が出来る職員はいなかった。
                        札幌市は同日の市議会建設常任委員会で、構造計算のできる専門職員が市に一人もいないことを明らかにし、偽装を見逃した不十分なチェック体制を認めた。田中透・都市局長は「検査ソフトの購入などに年間一千万円かかり、操作できる人材もすぐには育たない。外部の専門機関の力を借りるのが当面とりうる方法」との認識を示した。───出典はこちら→北海道新聞 社会

                         国交省緊急調査委員会中間報告書は、確認審査・検査機関の官民比較を行い、それぞれの長所・短所を分析し、官の短所を技術力不足と断定した。確かに、官の確認審査部門や検査部門では、実際に設計したことも現場監理もしたことのない職員が大多数(一部の中途採用者にあっては経験者もいる)を占めているのが実態だ。
                         一方、「再計算」はそもそも審査業務ではなく設計行為であって、姉歯事件以前は官民を問わず100%再計算など行っていなかったし、これからも再計算が審査業務に不可欠かどうかは議論が分かれるところだ。しかし、偽装が存在した以上、そしてこれからも存在しない保証がない以上、何等かの再計算の仕組みが必要になることもまた疑い得ないことであろう。


                         では、次の問題として自ずから定立されることは、必要とされる再計算を行うべき主体は誰になるのだろうか?、という点である。

                         現在までの状況と国の動向から推測すると、JSCAや日本建築防災協会等の専門家集団、あるいは全国で22ある指定性能評価機関に委託することになるだろう。
                         ところが、この指定性能評価機関には、姉歯偽装を見逃したイーホームズも日本ERIもビューローベリタスジャパンも名を連ねているのである。
                         だからこそ社団法人であるJSCAや建築防災協会への再計算依頼が激増しているのではないか?


                         特定の株主のために存在している営利を目的とする機関が、そもそも公平・中立・厳正な検査を行えるはずがないことは、子供でも分かる理屈であるが、国は審査検査機関の官民併存状態を解消する気は毛頭ない。
                         国民の生命・身体・財産をきちんと守っていくのが国の重要な責務だし、自治体の責務も同様だろう。その方向での建築確認制度の抜本改革こそが求められると思う。

                          やはり氷山の一角! 札幌の混乱:第3の耐震偽装発覚──関連サイトリスト

                            限界耐力法の混迷

                             直前のエントリイで、新宿区に続いて札幌市が限界耐力法による再々計算に乗り出したことに関して、「混乱が予想される」と書いた。ところが、その予想は既に警告を発せられていることを8日の夕刊報道で知った。
                             既にJSCA(社団法人日本建築構造技術者協会)が、新宿区と札幌の「事件」の前日3月6日に、限界耐力法の利用を推進するかの国土交通省通知に対して、「性急に事を運ぶことは、混乱の一因となる恐れが強く、奨励すべき方法ではない。採用する場合には審査にあたって慎重を期することを強調するべきである。」とする意見書を提出していたのだ。(その提出日から推測するに、まさに新宿・札幌のチェックを終えて公表する直前に提出したと思われる。)
                             ★意見書 国住指発第2930 号(平成18 年2 月15 日)に対する意見書
                             ★国の限界耐力法利用推進と受け取れる都道府県宛文書
                               国住指発第2930 号(平成18 年2 月15 日)


                            ◆意見書の指摘は以下のようになっている。
                            --------------------------------------------------------
                            1.限界耐力計算の運用に関する技術的問題
                             限界耐力計算の運用に関する問題点は従前より多方面から指摘され、特定行政庁でも慎重な扱いを行っているところが多く、JSCA でも2005 年9 月に問題点として下記の4 点を指摘している。この状況の中、性急に事を運ぶことは、混乱の一因となる恐れが強く、奨励すべき方法ではない。採用する場合には審査にあたって慎重を期することを強調するべきである。
                             ① 架構剛性を少なく評価でき、地震力を小さく評価できる
                               過小評価の危険性
                             ② 極稀に発生する地震時の層間変形を計算できるが、制限値を決めていないので
                               非構造体落下等に関連する安全性が担保できないものが多い。
                               サッシ等の落下に対する安全性が疎かになりかねない。
                             ③ 仕様規定は耐久性規定を除き適用しなくてよいが、代替性能規定がない。
                               性能規定チェックが疎かになる。
                             ④ 確認申請取り扱い要綱が果たしていた安全性確認との落差
                               従来の方法の正当性に疑義が出る。


                            2.偽装物件の一部の建物のみに限界耐力計算法を用いて検討を行うことの問題
                             保有水平耐力計算による検討結果に基づき、すでに取り壊し判断を行った建物との整合性を図ることが難しいと考える。
                             また限界耐力計算により、耐震性能が規定値の0.5を上回った場合に取り壊し判断を変えることになるならば、その判断は国、特定行政庁、所有者のいずれが行うのか明確にすべきだと考える。


                            3.保有水平耐力計算と限界耐力計算の結果の違いについての国民への説明の必要性
                             本来は、上記1の調査結果を受けて限界耐力計算の運用の見直しを図る中で、二つの計算法の差異を明快にし、説明していく必要があると考える。しかし、その作業が未了のまま今回の対応を行う場合であっても、異なった結果を生み出す二つの計算法の意味について早急に明快な説明を行うべきと考える。
                            --------------------------------------------------------
                             この意見書の指摘はすこぶる妥当だと思う。既に混乱が始まっているが故に、早急な対応を行わないと混乱は爆発的に広がるだろう。既に結論が出されたはずの、偽装有り+耐震強度不足の全ての建物について、実は別の解答があり得て、しかも限界耐力法で再々計算を行えば"よりましな"結論が得られる可能性が高いと期待されることは、藁にもすがりたい被災者に一抹の希望を与えることは間違いなく、結局何が真実なのか、それを誰が判断するのか、等々収拾の付かない事態を招きかねないだろう。


                             それにしても、限界耐力法といい、エネルギー法といい、アメリカからの圧力に屈服して基準法に導入された一連の性能規定化導入の中で採用された手法だ。
                             従来の4つの計算手順【高さ20m以下の建物→ルート1(許容応力度法)、20m<高さ≦31m→ルート2(剛性率・偏心率計算)、31m<高さ≦60m→ルート3(保有水平耐力計算)及び性能評定機関に個別認定を受ける必要のある時刻歴応答解析法】の他に、60m以下の建物に対して3つのどのルートにも拠らず限界耐力法又はエネルギー法のいずれかで計算しても良し、とされたのだ。
                             しかし、これらの2つの動力学的手法は振動解析論が分かっていなければ理解できない代物であり、設計者も審査者もその運用に苦労しているのが実態らしいのだ。そのような地に足が付かない手法をどうして採用しなければならなかったのだろうか?これらの手法もアメリカからの圧力、あるいはそれを援用した国内のどこかからの圧力によって法制化されたのだろうか?───という猜疑を抱かざるを得ないのである。


                             なお、この件に関して国土交通省は「限界耐力の方が、安全性が高いことを示す数値が出る傾向は確かにあり、適切な計算方法を選択して構わない。公的支援については現行の判断基準に変更はない」(建築指導課)としている。(耐震強度、別計算法では「安全」:YOMIURI ONLINE(読売新聞)より)
                             現場の混乱を余所にそんな公式回答だけでよいのか!と問いたい。JSCAの意見書に真摯に応えるべきではないだろうか?


                             関連エントリ
                            ・ 予想通り札幌は、限界耐力法で再々計算
                            ・ 耐震強度偽装第3局面に突入

                              予想通り札幌は、限界耐力法で再々計算

                               昨日予想したとおりの展開となった。


                               札幌市が許容応力度法ではなく新しい手法である限界耐力法で再々計算行うと発表した。
                               北海道新聞「耐震偽装 強度、最低は0・73、札幌の5棟市が再検査」(← 再検査ではなく再計算というべき)


                               再々計算結果の保有水平耐力は、従来の値とは異なるものになる可能性があり、新宿区の物件でそうであったように、偽装の事実は変わらないものの、強度不足棟数は替わる可能性があるわけだ。
                               他の強度不足偽装物件でも、あるいは偽装されてはいないがミスなどで強度が不足するとされた建物でも、限界耐力法による再々計算実施が一気に拡大していくことになるのではなかろうか。
                               すると果たしてどちらが正しいのか、これまでの判定は何だったのか、どの方法によるチェックが正しいのか(他にエネルギー法による再計算という手もある)、複数の結果が出る構造計算とは何なのか、今の基準法が定める構造計算方法で良いのか、等々様々な憶測、推測、意見が続出し、混乱を招くことは必定なのでないか。


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                                 2月8日。熊本県で16件の強度不足建築物が発覚し、福岡では3件の非姉歯偽装物件が明らかになり、国では緊急調査委員会が中間報告を明らかにした。この日を境に耐震偽装問題は第2局面に突入した。起承転結で言えば、承(中間報告)と転(非姉歯や計算ミス・審査ミス)が同時に起こったのだ。その後22日には基本制度部会の中間報告も明かとなり、「承」は被災者の深刻さの解消を置き去りにしつつ、予定通り進行しているかの印象を受けた。
                                 ところが、3月7日、今度は北の大地で第2非姉歯が登場し、新宿では、一端は強度0.85の偽装物件とされながら、別方法による再計算によって「強度は足りている」との結論に達した物件が登場した。様相は更なる「転」の登場により複雑化を極めており、耐震強度偽装問題は更なる新局面へと突入したと言えるだろう。


                                 札幌市

                                 7日札幌市は「浅沼2級建築士が市内のマンションなど33棟について偽装を認め、うち5棟で同市が偽装を確認した。……強度が0.5を下回るような大幅な強度不足により、すぐに退去が必要な建物はなく、同市は入居者にも知らせていない。」と発表した。札幌市が自ら建築確認した16件の再計算を専門機関に依頼した結果、うち5棟に偽装が確認されたのだそうだ。民間機関が審査した残る浅沼物件:17件の偽装確定も時間の問題だろう。
                                 朝日新聞の取材に対して浅沼建築士は「信念を貫いて設計したが結果には問題が残った。偽装は故意ではなく、計算を繰り返した結果だ」、「期日までに確認申請を出す必要に迫られて、数値を入れ替えた」と矛盾した話をしている。この浅沼2級建築士に対して、国交省は無資格業務の可能性を認めている。


                                 新宿区

                                 同日新宿区は、これまで耐震強度を85%としてきたある姉歯物件(投資用マンションのようだ)について、建築主の要望に従って(許容応力度法ではなく)限界耐力法で再計算したところ、強度120%の計算結果となり、耐震診断によっても安全と確認された、と公表した。有罪から一転して無罪放免になったわけで、建築主やオーナーが覚悟していたであろう耐震改修工事は必要なくなり、施主・オーナー・入居者は「やっと正月が迎えられる、地獄から天国へ」の思いだろう。
                                 ところで、異なる計算方法によって結果がこれ程迄異なることから、偽装有無について「収拾が付かなくなる」恐れが出てきた。既に指摘されている偽装マンション99棟(姉歯物件96、サムシング3件)に加えて同日公表された札幌の5件、否33件を加えて、合計132件についても、別方法による再計算を求める声が続出すると予想される。白or黒の判定によって、人生が全く異なることになるのだから当然の反応だろう。


                                 限界耐力法・エネルギー法

                                 さて、現行基準法で認められてる異なる計算方法は、この2つである。確認審査の民間機関開放と同時に導入された工法や設計手法の性能規定化により、動力学的手法である限界耐力法が認知され、2005年には更に難しいとされるエネルギー法が認知されたのだ。
                                 姉歯容疑者は従来の静力学的手法=許容応力度法によって設計していたので、これらの2つの計算方法のいずれかによって再計算を行えば、これまでとは異なる結果が出る可能性がある───このことを新宿区の例が実証したことになる。
                                 ところが、これらの新しい手法は「振動解析をマスターした人でないと適切に設計できない」、「難しすぎて審査できない」(細野透著:『耐震偽装』p.77,2006年2月24日1版1刷)等の声があがっており、審査者サイドでこれを分かる人が全国で何人いるか、と思われるほどに難解なものらしい。
                                 だからこそ、自治体は自ら再計算することなく、JSCAなどの専門家集団にそれを委託しているし、国交省も2月15日に専門家への委託を暗に推奨する通知文(国交省サイト:pdfファイル)を都道府県宛に出しているのだ。もっともこの通知は熊本県の為体を受けて慌てて出したものと推測されるが・・・。
                                 とにかく新宿の例を受けて、偽装物件の再計算要望が一気に高まっていくことは疑いない。

                                  読書感想───マネー敗戦

                                  マネー敗戦を読む。

                                   「拒否できない日本──アメリカの日本改造が進んでいる 」、「騙すアメリカ、騙される日本」、「ジャパンハンドラー」、「国富消尽」に次ぐこの国の対米隷属の歴史を知る第5弾である。
                                   政治的にも経済的にも、妄信的と言っても良いほどに対米忠誠を尽くしてきたこの国の有り様に、心底怒りを感じる昨今である。隷属の一連の事例の中に、最近耐震偽装問題でにわかに脚光を浴びた建築基準法があることも、驚きを持って知った。仕様規定から性能規定への変更はアメリカの木材業者や2×4住宅の日本進出を受け入れるための方便だったのだ。しかもそれは建築・宅地審議会が答申を出す遙か前の1990年に、在米日本大使によって約束されていたことだったのだ。
                                   更に関連する住宅品確法(住宅の性能表示を定めた)、借地借家法、談合の厳しい取り締まり、などの建築界に関わる昨今の重大な法改正などが、悉くアメリカの対日圧力に屈服した結果として行われていることも、恥ずかしながら知らなかった。
                                   そして、「マネー敗戦」である。この本はニクソンショック以来の変動相場制下における日本の金融政策について、この国の富をアメリカに献げ尽くしたものとして淡々と克明に記した本であるが、読み終えて改めて屈辱的な日本の金融政策に憤りを覚えている。
                                   最大の債権国でありながら、最大の債務国に対して当該債務国の貨幣でしか貸し出すことの出来ない、歴史上唯一の希少な国、それが日本であり、借り手が大手を振って貸し手を脅し、意のままに操っている構図には呆れかえるばかりである。

                                     90%近いシェアを握っているインターネットエクスプローラの描画エンジンを利用したタブbrowser。沢山のタブbrowserがあるが、多機能、カスタマイズフリー、スクリプト利用等で一日の長がある。Gekkoエンジンへの対応も行われ、IEからの自立独立の方向に向かっている。2005年7月にはIE7が登場する見通しの中で、今後の発展が望まれる。

                                     多様なCSS作成支援機能を備えた、タグ入力式 HTML&CSS作成支援エディタ。スキンデザインもすっきりしている。テキストエディター上で作成するよりも確実で安全にタグ打ちが出来る。
                                    文字コードを選べないのが欠点。

                                     StyleNote同様のタグ入力式 HTML&CSS 作成支援エディタ。長年使用してきたが現在StyleNoteに乗り換えつつある。

                                     クリップボード履歴情報を活用する為のソフト。画像まで履歴を取ってくれるのが嬉しい。このソフトを使わない日は絶対ない程に重宝し、愛用している。

                                     起動中のウィンドウの「コピーできない」説明文などの文字列を取得し、コピー可能な文字データにするツール。何かと便利。

                                     ストリーミングデータを保存することが出来るソフト。動画利用には不可欠なソフトだ。

                                     無料ながらレイヤー機能を有し、スクリプトによる拡張も可能な、sleipnir作者が提供している優れもの画像編集ソフト。

                                     画面キャプチャソフトと言えばこれに勝るものなし、ではないだろうか? 様々な取得方法を有しており、ブログ作成にもHomepage作成に不可欠だ。Jtrimと並んでWoodyBellsの作品。

                                     複数ファイルの同時編集は出来ないが、透過pngも作れる画像編集ソフト。
                                    (以下当該サイトから抜粋)初心者にも簡単に操作が出来るフォトレタッチソフトです。多くの加工機能で画像に様々な効果を与えることができます。非常に軽快に動作するため、ストレスなく操作できます。

                                     Animation Gifファイルを作れる無料ソフト。

                                     キャプチャソフト。画面内にサイト全体が表示しきれない場合でも、これを使えば全体をキャプチャすることが出来る。

                                     画像処理。画像のフォーマット変換のみならず、色数やサイズ、圧縮率の変更まで一括処理できてしまう『BatchGOO!』は、大量の画像をまとめて処理したいときに大変便利なソフト。BMP, TIFF, JPEG, PCX, PNG の相互変換をはじめ、色数・サイズ・解像度の統一、JPEG圧縮率の調節など、ホームページ用の画像や携帯電話用の壁紙を揃えるのに抜群の相性を見せる。(Vectorの当該ソフト紹介頁より抜粋引用)

                                     名前から直ぐに想像が付くように画像のサイズを測るためのソフトだ。Homepage作成には欠かせない。2カラム、3カラムのレイアウトを行う場合に大変重宝する。

                                     ランチャーソフトは沢山あるが、中でもこれが一押しだ。2年以上使ってきたがその操作性には毎日満足している。これを使い始めてからデスクトップには一切のアイコンを表示することをやめてしまった。

                                     AdobeReader7によって、起動時間が長すぎるという長年のユーザーの不満はある程度解消した。そのためこの高速化ソフトは存在価値が低下してしまったかもしれない。AdobeReader6迄はこのソフトによる起動高速化で恩恵を受けてきた。

                                     IE専用が難点だが、様々なサイト内でIDやパスワードを入力するのに重宝するソフト。コンテキストメニューから簡単に起動できるのがGood! sleipnir等のIEの描画エンジンを利用しているブラウザでも使える。

                                     利用しているパソコンの諸元値を取得するには、このソフトがベストだ。インストール済みソフトの一覧が取得できるのも嬉しい。

                                     WMPは機能が豊富なだけ重い。RealPlayerも同様だ。そこでMedia Player Classicを使いたい。動作が軽快なだけではなく、対応しているファイル形式もすこぶる多く、これひとつで、wmvもrmも表示できてしまうのだから凄い! 数多あるMedia Playerの王様と言えるだろう。

                                     自宅でPCを起動しているときには必ず起動しているメディアプレーヤー。何かと過剰なWinampよりも、起動も速くスキンはシンプルだ。

                                     DivX, Xvid, Mov, Vob, Mpeg, Mpeg4, avi, wmv, dv, などの動画をDVD-Video形式に変換できるフリーソフト。クリックするとDVD関連ソフト紹介サイト=「DVDなToolたち」なるHomepageが開きます。

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