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イベントの登録メソッドに較べて、それを削除する $(args).unbind() は余り使用頻度の高いメソッドではないでしょう。登録したイベントハンドラーをわざわざ解除する必要性は、決して高いとは思えないからです。
そのことはさて置き、$(args).unbind() メソッドは僅か数行のもので、全ての処理を $.event.remove() メソッドに委ねており、更に $.event.remove() メソッドの骨格は $(args).data() と $(args).removeData() メソッドによって構成されています。
ここでも $(args).add() メソッド同様に、本家サイトで Internals ジャンルに分類されている Data Cache を取り扱うメソッドが不可欠となっています。
$(args).unbind() のコードは以下の通りです。対象要素ノード毎に $.event.remove() を呼び出してその結果を受け取っています。
2199: unbind: function( type, fn ) {
2200: return this.each(function(){
2201: jQuery.event.remove( this, type, fn );
2202: });
2203: },
unbind() メソッドから3つの引数を受け取り、実際にイベントをアンバインドするメソッドです。
elem がテキストノードかコメントだった場合には何もせずに終わります。
1902 行の data() メソッドにより、当該対象要素ノードに対応する Namespaced event handlers をData Cache から抽出し、変数 events に代入します。なお、変数を3つ指定していますが、index はどこでも使われていません。
1896: // Detach an event or set of events from an element
1897: remove: function(elem, type, handler) {
1898: // don't do events on text and comment nodes
1899: if ( elem.nodeType == 3 || elem.nodeType == 8 )
1900: return;
1901:
1902: var events = jQuery.data(elem, "events"), ret, index;
1903:
ここで、events 変数には何が代入されるのか、視覚的にも明らかにしておくことが得策だと思います。
下図はあるサイトのある要素ノードに、クリックとダブルクリックの2つのイベントハンドラーをバインドした時の、Namespaced events handlers と jQuery.js が呼んでいるオブジェクトの一部、つまり jQuery.cache オブジェクトの一部を切り取ったものです。
この図にある events オブジェクトと同じような構造の、「 element 」要素ノードに対応するオブジェクトが 1651 行の変数 events に代入されます。
// 当該対象ノードにイベントハンドラーが登録されていれば
1904: if ( events ) {
/* 削除その1
* 第2引数の type が与えられていない場合の処理である。
* この場合には、events オブジェクト内の全ての type プロパティ、つまり登録
* されている全てのイベントハンドラー毎に、remove() メソッドを再帰呼び出し
* する。再帰的に呼び出す場合には、events オブジェクトから type 名称を取り
* だして第2引数としている。
* このブロックの処理によって、対象要素ノードに登録されている Namespaced
* イベントハンドラーの全てを削除することになる。
*/
1905: // Unbind all events for the element
1906: if ( types == undefined )
1907: for ( var type in events )
1908: this.remove( elem, type );
/* イベントオブジェクトが引数となった場合の処理
* 「type.type がある場合」とは、何らかの事情によって第2引数の type が
* 文字列ではなく、イベントオブジェクトであった場合を指している。
* その場合には、handler にはイベントオブジェクトの handler プロパティを
* type にはイベントオブジェクトのtypeプロパティを代入している。
*/
1909: else {
1910: // types is actually an event object here
1911: if ( types.type ) {
1912: handler = types.handler;
1913: types = types.type;
1914: }
/* の処理
* 複数イベント一括 bind() メソッド に呼応して、unbind()メソッドもマルチ
* イベント対応としている。
* つまり、各イベントタイプ毎にイテレートして登録解除を進めることになる。
* type にはイベントtype名が入る。
*/
1916: // Handle multiple events seperated by a space
1917: // jQuery(...).unbind("mouseover mouseout", fn);
1918: jQuery.each(types.split(/\s+/), function(index, type){
1919: // Namespaced event handlers
1920: var parts = type.split(".");
1921: type = parts[0];
/* 削除その2 * 次は第2引数の type が与えられていて、それが events オブジェクトの * プロパティと一致する場合── if ( events[type] ) ──の処理である。 * 1925行……第3引数 handler が与えられていれば、 * 1926行……登録されているプロパティ=ハンドラー関数を削除する。 * ここでは type 名のオブジェクトは削除せず、その handler 名の関数 * だけを削除する。 * ここに handler.guid プロパティの値はハンドラー関数である。 * ※ event.add() メソッド参照。 */ 1923: if ( events[type] ) { 1924: // remove the given handler for the given type 1925: if ( handler ) 1926: delete events[type][handler.guid]; 1927:
* 削除その3 * 第3引数の handler が与えられていない場合には(1929行以下) * events[type] オブジェクト内の各プロパティに対して(1930行) * カスタムイベントがないか(!parts[1])、又は登録されているカスタムイベ * ントタイプと、指定されたカスタムイベントタイプが一致すれば(1932後段)、 * handler プロパティを削除する。 * これにより指定した type で登録されているイベントハンドラー関数を * 全て削除する。 */ 1928: // remove all handlers for the given type 1929: else 1930: for ( handler in events[type] ) 1931: // Handle the removal of namespaced events 1932: if ( !parts[1] || events[type][handler].type == parts[1] ) 1933: delete events[type][handler]; 1934:
/* event[type] オブジェクト内にプロパティが残ってないかチェックする。 * もし、残っていれば for loop を 中止する。 */ 1935: // remove generic event handler if no more handlers exist 1936: for ( ret in events[type] ) break;
/* 削除その4 * もし、 event[type] オブジェクト内にプロパティが残っていれば、 * !ret は false となるので 1938行以下は実行されない。 * さて、もはや eventsオブジェクトに type プロパティが存在しない場合 * ──if ( !ret )──には、一般的なイベントハンドリングによって登録した * ハンドラー関数の登録を解除する。 * ここに jQuery.data(element, "handle") はイベントハンドラー登録時に利用 * される代理母的な関数である。既に add() 及び handle() メソッドの項で述べ * たように、add()メソッドによってNamespaced イベントハンドラーに登録済みの * 関数から、jQuery.event.handle() メソッドがバインドする関数を選択し登録する。 */ 1937: if ( !ret ) { 1938: if ( !jQuery.event.special[type] || jQuery.event.special[type].teardown.call(elem) === false ) { 1939: if (elem.removeEventListener) 1940: elem.removeEventListener(type, jQuery.data(elem, "handle"), false); 1941: else if (elem.detachEvent) 1942: elem.detachEvent("on" + type, jQuery.data(elem, "handle")); 1943: } 1944: ret = null; 1945: delete events[type]; 1946: } 1947: } 1948: }); 1949: }
/* 削除その5 * 最後の処理は再び Data Cache オブジェクト内のクリーニングである。 * これまでの処理で全てのイベントハンドラー(タイプ、カスタムイベント、 * ハンドラー関数、id 番号など)を削除するが、まだ Data Cache オブジェク * ト内には残存物がある。それは events と handle オブジェクトである。 * これらを以下の数行で削除する。 * ret がないことつまり events オブジェクト内が空であることを確認して、 * events と handle オブジェクトを削除する。 * 以上の結果、当該要素ノードelementに関してData Cache オブジェクト内に * 存在するオブジェクトは、当該要素ノードに対応するuuid番号を振られた空 * のオブジェクトだけとなる。 */ 1951: // Remove the expando if it's no longer used 1952: for ( ret in events ) break; 1953: if ( !ret ) { 1954: var handle = jQuery.data( elem, "handle" ); 1955: if ( handle ) handle.elem = null; 1956: jQuery.removeData( elem, "events" ); 1957: jQuery.removeData( elem, "handle" ); 1958: } 1959: } 1960: },
jQuery.removeData() メソッドは、jQuery.data()メソッドで構築した Data Cache オブジェクト内のオブジェクトを削除するためのもので、jQuery.event.remove()メソッドの最後に登場します。その働きは既に上で述べたので、ここでは当該メソッドの解読を行ってこのエントリイを閉めます。
コード全体は name 引数がある場合とない場合の2通りに大別されます。
668: removeData: function( elem, name ) {
669: elem = elem == window ?
670: windowData :
671: elem;
672:
/* data() メソッドで elem, name を登録する時に、elemには、expando
* プロパティが付与される。
* ( data() メソッドの 518行 id = elem[ expando ] = ++uuid;)
* ここではこれを取りだして改めて地域変数 id に代入している。
* なお、この id は先の 518 行により、個々の elem に対応して
* cache オブジェクト内のプロパティとして割り振られているので、
* cache[id]とすれば 当該 uuid番号 のプロパティ値を指すことになる。
* 勿論 elem の指定ミスがあればこの行は通過し、540行でも撥ねられ、
* その先に進んでも全てスルーする。
* また name がないか間違っている場合も全ての行がスルーされる。
*/
673: var id = elem[ expando ];
674:
/* 抽出された id 番号を頼りに、その中にある name プロパティを削除する。
* 1697、1698 行の引数に置き換えれば events と handle を削除することに
* なります。
*/
675: // If we want to remove a specific section of the element's data
676: if ( name ) {
677: if ( jQuery.cache[ id ] ) {
678: // Remove the section of cache data
679: delete jQuery.cache[ id ][ name ];
680:
/* id オブジェクト内に何もないことを確認し(546行)、 * なければ(547行)、elem つまり当該 elementに対応する id 番号名のオブ * ジェクトそのものを、removeData()を再帰呼び出しして削除する。(548行) * なお 548 行を 564 行と同様のコードとしなかったのは、別の name 名のオブ * ジェクトが残っているケースもあるため、これに配慮したものと推測される。 * 例えば、events オブジェクトを削除する段階では、まだ handle オブジェクト * が残っている。(1697-1698行参照) */ 681: // If we've removed all the data, remove the element's cache 682: name = ""; 683: 684: for ( name in jQuery.cache[ id ] ) 685: break; 686: if ( !name ) 687: jQuery.removeData( elem ); 688: } 689:
/* name 引数が与えられなかった場合の処置
* elem の expando プロパティ削除を行う(556行)。
* IE ではエラーが発生するのでDOMの removeAttribute メソッドを使って
* elem の expando プロパティを削除する。
* 最後に cache オブジェクト内の id プロパティを削除し、elem に対応する
* cache オブジェクト内の全ての痕跡を消し去る。
*/
691: // Otherwise, we want to remove all of the element's data
692: } else {
693: // Clean up the element expando
694: try {
695: delete elem[ expando ];
696: } catch(e){
697: // IE has trouble directly removing the expando
698: // but it's ok with using removeAttribute
699: if ( elem.removeAttribute )
700: elem.removeAttribute( expando );
701: }
702:
703: // Completely remove the data cache
704: delete jQuery.cache[ id ];
705: }
706: },
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